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「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)は自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすといわれています。このうち自動運転では技術面、コスト面など課題は残りますが、ここにきて『自動運転バス』の始動に向けた実証実験などが相次いでいます。背景にはバスは定められた路線を走るため自動運転向きである上、運転手の人手不足などからニーズも強いことがあり、今後の動向が注目されます。

【ポイント1】政府の対応などを受けて『自動運転バス』が始動

 政府は2020年に自動運転を実用化する目標を掲げ、2019年5月には自動運転の安全基準を定める改正道路運送車両法のほか、改正道路交通法が成立し、自動運転に向けた保安基準は2020年4月をめどに施行される見通しです。これにより一定の条件付きで自動運転できる「レベル3」の公道走行の環境が整います。

 これらを受け国内各地で『自動運転バス』の始動に向けた取り組みが相次いでいます。背景にはバスは定められた路線を走るため自動運転向きで、運転手の人手不足や地方の赤字路線での導入など『自動運転バス』のニーズが高いことなどがあります。また始動に向けて企業の技術開発も加速しています。

【ポイント2】『自動運転バス』の実証実験が相次ぐ

 群馬大学と前橋市、日本中央バス(前橋市)は1月11日、公道でドライバーが乗車する「レベル2」の『自動運転バス』の実験を始めました。2月下旬には全国で初めてバス2台を同時運行して遠隔監視も検証します。群馬大学などは2018年12月から2019年3月末まで、営業路線で運賃を徴収する『自動運転バス』の実験を全国で初めて実施しています。

 大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)とグループの大阪シティバスは2019年12月、人工島・夢洲など大阪湾岸エリアで、『自動運転バス』の実証実験を始めると発表しました。走行性能や信号との連動性などを確認し、2020年度内の実用化を目指します。2025年に開く大阪・関西万博の会場で、会期中の移動手段としての活用も考えられています。

【今後の展開】官民一体の取り組みが求められる

 今年から国内で始まる予定の『自動運転バス』の実用化を控え、企業のサービスや技術開発競争も活発になっています。綜合警備保障(ALSOK)は車両の内外での見守り技術を開発し、オムロンは運行管理の実験を始めました。高齢化が世界で最も早い日本で、その対策にもなる『自動運転バス』など自動運転で官民一体となった取り組みなどにより、世界をリードしていけるか注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。