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『PMI』とは、購買担当者景気指数(Purchasing Managers’ Index)の略で、企業の景況感を示す経済指標です。景気判断の節目である50を上回れば景気拡大、下回れば縮小を表します。IHS Markitは世界全体の景況感を示すグローバル『PMI』を毎月公表しています。製造業の回復ペースは緩やかですがサービス業の持ち直しが顕著で、総合指数は10月を底に回復しつつあります。
【ポイント1】12月グローバル『PMI』は全体的に上昇
10月の50.8を底に回復傾向続く
IHS Markitが発表した12月のグローバル『PMI』は製造業・サービス業ともに景気判断の節目である50を上回っており、総合では51.7(11月51.4)と10月の50.8を底に回復しつつあります。
製造業が50.1(同50.3)、サービス業が52.1(同51.6)となり、製造業の回復ペースは緩やかですがサービス業の持ち直しが顕著です。
【ポイント2】サービス業の回復が顕著
新規受注、雇用など総じて上昇
グローバル『PMI』の製造業の内訳を見ると、生産と雇用がやや低下し、回復傾向は緩やかなものとなっています。
一方、グローバル『PMI』のサービス業の内訳では、需要を反映する新規受注が強く、雇用などその他の項目も前月から上昇しました。足元では米中対立への懸念が後退していることなどから、今後もグローバル『PMI』の回復傾向が続くことが見込まれます。
【今後の展開】世界経済は回復の兆しが明らかに
グローバル『PMI』の国・地域別内訳を見ると、好調な経済を背景に米国が上昇し、主要先進国の経済をけん引する形となっています。反対に、英国と日本は、EU(欧州連合)離脱問題や消費増税などから低下しました。新興国の中ではインドが大きめの上昇となるなど、全般的にアジア圏が強い結果となりました。
グローバル『PMI』は製造業の落ち込みに歯止めがかかりつつあることや、サービス業が堅調なことから回復傾向をたどり、2020年の世界経済は緩やかな回復軌道に乗ると見られます。一方、足元では、米国とイランを巡る中東情勢の緊迫化が懸念されています。両国とも戦争は望んでいないと見られ早期の収束が期待されますが、長期化すれば原油価格の上昇など世界経済の回復に影響を及ぼすため注意が必要です。