9月FOMCの注目点
バランスシート正常化を発表か
19、20両日で会合開催中のFOMC(連邦公開市場委員会)は、本日(日本時間水曜午前3時)に政策金利を発表します。金融政策の誘導目標金利であるFF(フェデラルファンド)金利は現行水準に据え置きの予想。
今回最大の注目点は、FOMCが、バランスシートの縮小開始の発表を予定していることです。7月の会合でFOMCは、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を、「比較的早期に」開始するとの方針を告知しています。したがって、発表そのものは驚きではありません。
しかしながら、その内容が、予想よりも速いペースで縮小を進めるというのであれば、マーケットにとってサプライズ、ドルにとってはプラスになる可能性があります。もちろん、縮小幅が予想より小幅にとどまれば、逆のサプライズとなるでしょう。
ブレイナードFRB(連邦準備制度理事会)理事は「インフレが低い状況では利上げできない」と述べ、これが今月始めにドルが下落した一因となりました。ハリケーンの影響でFRBの年内利上げは難しいとの意見がある一方で、米製油所の被害による原油価格の上昇がCPI(消費者物価指数)を押し上げるとの予測も出ています。今後、米国のインフレ率が強含みで推移するようであれば、年内利上げ期待が再燃することになって、ドルの新たな支援材料になる可能性があります。
トランプ大統領は、来年2月で任期満了を迎えるイエレン議長の再任を検討している模様で、こちらのほうも気になります。
前日(9月19日)の市場概況
ドル/円:リスクオンのマーケットで続伸
リスクオンのスイッチが入ったマーケットで、日経平均株価は400円も上がって年初来高値を塗り替え、NY株価は史上最高値を更新中。米長期金利は、1カ月ぶり高水準の2.2%台へ。そしてドル/円は111.87円までドル高/円安が進みました。NY時間に、トランプ大統領が、初の国連総会での演説で北朝鮮を厳しく非難したことで、一時111.19円まで下げる場面がありましたが、111円台はしっかりと維持。終値は前日と同レベルの111.595円(前日比-0.001円)でした。(チャート1)。
クロス円:ユーロ/円、豪ドル/円は、2015年12月以来の高値
クロス円も軒並み上昇しました。今の動きはドル高ではなく円安。欧州通貨やオセアニア通貨はドルに対してしっかりしていることから、ユーロ/円と豪ドル/円はそれぞれ、約1年9カ月ぶりの高値となる134.16円(チャート2)、89.48円まで上昇(チャート3)。またポンド/円も151.58円まで高値を更新しました。
今日の注目指標:FOMC、英小売売上高指数
英国では、8月の小売売上高指数が発表されます。カーニーBOE(英中央銀行)総裁は、「利上げの可能性は非常に強まっている」と述べ、マーケットでは、BOEが早ければ11月にも利上げをするとの見方が強まっています。
小売売上高指数が予想より強ければ、利上げの期待がさらに強まることになりますが、反対の結果となれば、利上げペースは緩やかになるとして、ポンド売り材料にされることも考えられます。