結局、本当に「安全資産」と呼べるものは?

 ここまで、様々な種類について説明してきましたが、読者の皆さんも、信用度が低い社債や新興国債券を「安全資産」とは見なさないと思います。「安全資産」は、国債や地方債から信用度が高い社債までと言えます。ただし、債券には個別性がありますので、それらに分類される債券でも、「安全資産」とは呼べないものが含まれることには、注意してください。

 それから、前回でも書きましたが、どんな債券でも為替変動のリスクを負うものは、すべてハイリスク・ハイリターンの「リスク性資産」になります。国債や地方債から信用度が高い社債は、それぞれの通貨ベースでは「安全資産」ですが、為替変動の影響を受けるものは、すべて「リスク性資産」です。例えば、米ドル建ての国債や地方債、信用度が高い社債は、米ドル円の為替レートの変動の影響を受けますので、「リスク性資産」になります。また、為替変動リスクをなくす為替ヘッジという手段を使えば、それらは「安全資産」となります。

 まとめると、以下のとおりになります。

 なお、前回分の説明も含め、「安全資産」を総括しますと、下表のようになります。

 次回からは、これまでの「リスク性資産」、「安全資産」の説明を踏まえ、どのように、何に投資すべきかを説明していきます。