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昨年は、地震や豪雨、台風が相次ぎましたが、今年も台風15号と台風19号などの『自然災害』により甚大な被害が発生しました。国内だけでなく海外でも大規模な『自然災害』が発生しており、地球温暖化なども影響しているとみられ、『自然災害』への対応の重要性が高まっています。政府は『自然災害』からの復興・復旧とともに、『自然災害』への備えや対策を含んだ経済対策を行うことを決定しました。
【ポイント1】昨年に続いて相次いだ『自然災害』
台風19号による浸水面積はここ10年で最大
昨年は、北海道、大阪での地震や西日本豪雨など『自然災害』が相次ぎ発生しましたが、今年も台風15号と台風19号などで甚大な被害が発生しました。
10月に上陸した台風19号では全国140カ所で堤防が決壊し、浸水面積がここ10年で最大となり、首都圏や関東、東北など各地に浸水被害をもたらしました。河川からの浸水だけでなく、排水処理が追いつかずタワーマンションも浸水しました。農業や設備などの直接的な被害に加えて、消費やレジャー産業への2次的な影響なども発生し、経済に大きな影響を与えました。
【ポイント2】農水産関連へ甚大な被害
鉱工業生産が低下
農林水産省は11月19日、今秋発生した台風15号と19号などによる農林水産関係の被害額が3,629億6,000万円に上ったと明らかにしました。昨年の西日本豪雨の被害額3,409億1,000万円を超える規模に拡大しました。
経済産業省が12月13日発表した10月の鉱工業生産指数確報値は、前月比▲4.5%の98.6でした。台風19号の影響で自動車や生産用機械など幅広い業種で減産となりました。『自然災害』が発生したことで部品納入の遅延などが発生したとみられます。
【今後の展開】求められる異常気象などの『自然災害』への更なる備え
政府は景気の下振れに備えるため12月5日、国や地方からの財政支出が13.2兆円となる経済対策を閣議決定しました。民間の支出も加えた事業規模は26兆円になり、公共投資には6兆円を投じます。東京五輪後まで見据えた成長分野への投資、景気の下振れリスクへの備えのほか、『自然災害』対策を含むインフラ整備を含めました。台風19号の被害を踏まえ、氾濫発生の危険性が高い河川や堤防を再整備したり、緊急時の輸送に使う市街地の道路の無電柱化なども進めます。予算上の制約はありますが、ソフト面も含め、異常気象などによる『自然災害』へ備えた更なる対策を継続していくことが求められます。