12月のドル/円はどうなる?

 11月のドル/円の安値は107.89円(11月1日)。高値は109.67円(11月30日)でした。ドル/円が107円台にいたのは、たった1日だけ。何度か108円前半まで下がることはあっても108円を抜けることはなく、1カ月間かけて178ポイント円安に進みました。

 12月のドル/円相場は、ドル高(円安)、ドル安(円高)のどちらへ動くでしょうか?

 ピボットとなる109.01円を基準レベルとして、ドル/円が109.01円より上昇するならばドル高(強気)、下落するならばドル安(弱気)の勢いが強いと考えます。

 ドル/円が109円台をしっかりとキープするなら、5月23日以来ご無沙汰している110円台に挑戦する権利を手に入れます。ただし節目とされる110円はその手前から強い売りも予想され、簡単には突破できないでしょう。110円に乗せることができたら、次のターゲットは110.70円(5月3日高値)、そして111円。ちなみに今年のこれまでの高値は112.40円です。

 反対に、ドル/円が109円台を守れず下落した場合、最初の注目レベルは今年の中心値(高値と安値の50%)にあたる108.20円、その下は11月の安値107.89円。この108円前後の買いゾーンを通り抜けたら、次は10月安値の106.48円がターゲットになります。今年のこれまでの安値は1月3日につけた104.01円。

 12月の相場は、クリスマスまでは、米中貿易協議合意期待と米経済の楽観見通しのなかで緩やかなドル高/円安を予想。しかし、クリスマスが過ぎると欧米のトレーダーのモードは一気に新年度に切り替わります。日本人が年末年始を迎えて気が緩む時期を狙って、ドル/円の売りを仕掛けてくることも考えられます。リメンバー・ザ・フラッシュ・クラッシュ。

今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している設問「今後、投資してみたい金融商品」で、「国内株式」、「外国株式」と回答したお客様の割合に注目します。

 当該設問は複数回答可で、選択肢は、国内株式、外国株式のほか、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(リート:不動産投資信託)、国内債券、海外債券、FX(外国為替証拠金取引)、金やプラチナ地金、金先物取引、原油先物取引、その他の商品先物、特になしの13個です。

図:設問「今後、投資してみたい金融商品」で、「国内株式」、「外国株式」を選択した人の割合 (2009年1~11月)

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 2016年6月ごろから、徐々に外国株式を選択する人の割合が上昇し始め、逆に国内株式を選択する人の割合が低下し始めました。2016年6月と言えば、英国でEU(欧州連合)を離脱することを問う国民投票が行われた月でした。

 外国株式の割合の上昇と国内株式の割合の低下の背景について、以前の「老後2,000万円問題!みんな準備してる?:楽天DI 2019年7月」の回で、考察を述べましたので、ご参照ください。

 今回は、外国株式と国内株式を選択した人の年代について書きます。以下の表は、2019年11月の調査で外国株式と国内株式を選択した人達が、同じ楽天DIの調査内の年代を問う設問で回答した結果をまとめたものです。

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 緑と赤のマスがありますが、緑は比較的割合が高いことを、赤は比較的割合が低いことを、色の濃さはその度合いを示しています。緑が濃ければ濃いほど、表内で割合がより高いことを、赤が濃ければ濃いほど、表内で割合がより低いことを示しています。

 全体的には外国・国内ともに40代と50代の方の割合が高いのですが、30代と60代になると、状況は異なってきます。

 30代は国内株式よりも外国株式を選択した方の割合が高く、逆に、60代は外国株式よりも国内株式を選択した人の割合が高いことが分かります。また、60代と同じ傾向が70代でも言えます。

 外国株式と国内株式、年代によって「今後、投資をしてみたいと思う」度合いは異なるようです。昨今、人気度が上昇している外国株式に、比較的若い方たちが関心を示していると言えそうです。

 引き続き、設問「今後、投資してみたい金融商品」で、「国内株式」・「外国株式」と回答した人の割合と年代に注目していきたいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2019年11月調査時点 (複数回答可)

投資対象 割合 前回比
国内株式 55.61% + 0.57%
外国株式 38.02% ▲ 14.18%
投資信託 34.82% ▲ 1.66%
ETF 23.35% ▲ 8.37%
REIT 16.03% ▲ 2.90%
国内債券 5.84% ▲ 0.21%
海外債券 7.76% ▲ 0.47%
FX(外国為替証拠金取引) 8.83% ▲ 1.50%
金やプラチナ地金 11.73% ▲ 1.18%
金先物取引 1.72% ▲ 0.79%
原油先物取引 1.13% ▲ 0.20%
その他の商品先物 1.28% ▲ 0.16%
特になし 9.29% + 3.61%
出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2019年11月調査時点 (複数回答可)

国名 割合 前回比
日本 33.31% ▲ 1.92%
アメリカ 52.07% ▲ 10.04%
ユーロ圏 3.79% ▲ 1.08%
オセアニア 3.84% ▲ 1.10%
中国 8.29% ▲ 0.71%
ブラジル 3.58% ▲ 2.17%
ロシア 2.20% ▲ 1.41%
インド 28.06% ▲ 2.96%
東南アジア 24.81% + 1.57%
中南米(ブラジル除く) 2.48% ▲ 0.17%
東欧 1.77% ▲ 0.52%
アフリカ 7.50% ▲ 1.39%
特になし 10.24% + 3.12%
出所:楽天DIのデータより筆者作成