「PEGレシオ」で業績見通しを加味した割安感を探る

「株価が割安なのか割高なのか」を判断する一般的モノサシとして、PERを比較する方法があります。ただ、「業績(利益成長)見通しを加味した割安感」を知る指標として「PEGレシオ」もあります。

 PEGレシオは、「予想PER÷予想利益成長率」(PER÷Growth)を試算する指標で、レシオ(倍率)が低いほど「業績見通しを加味した予想PERで割安」と判断されます。「予想利益成長率」は各種ありますが、本稿では「2020年と2021年の増減益率を平均化した成長率」を使用します。

 図表3は、国内株式市場の「東証17業種株価指数」について、(1)2019年と2020年の予想PER(市場予想平均)、(2)2019年、2020年、2021年の予想増減益率(同)、(3)予想PEGレシオ(2020年予想PER÷予想利益成長率(2020年と2021年の平均予想増減益率))を一覧にし、17業種を予想PEGレシオの昇順(低い順)に示したものです。

 TOPIXの2020年予想PERは13.5倍で、2020年と2021年平均予想増益率(×100)を計算すると、PEGレシオは約1.92倍と試算されます。「エネルギー資源」「鉄鋼・非鉄」「自動車・輸送機」「食品」「電機・精密」「機械」「商社・卸売」などの景気敏感・外需業種に「業績回復期待を加味した割安感」がみてとれます。

<図表3:予想PEGレシオで分析する割安業種>

*予想PER(株価収益率)と予想増減益率はBloomberg集計による市場予想平均(暦年調整)
*上記は東証17業種を「予想PEGレシオ」(2020年予想PER÷(2020年と2021年の平均予想増減益率))の昇順に示したものです
出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2019年11月27日)