今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲​

 今回は、設問「今後、投資してみたい金融商品」で国内株式、および外国株式を選択した方の割合と、設問「今後、投資してみたい国(地域)」で日本、およびアメリカを選択した方の割合に注目します(両設問、複数選択可です)

 以下の図は、設問「今後、投資してみたい金融商品」で国内株式、および外国株式を選択した方の割合です。

図:設問「今後、投資してみたい金融商品」で国内株式および外国株式を選択した方の割合

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 外国株式を選択した人の割合は、2019年10月、2008年10月の楽天DIのスタート以来、初めて50%を超えました。この上昇傾向は、外国株式の代表格である米国の主要な株価指数の上昇が鮮明になった2017年上旬以降、特に顕著になっています。

 一方、同設問で1位を維持してきた国内株式を選択した人の割合は、2019年7月に50.3%まで低下するなど、長期的には低下傾向にあります。

「上昇する外国株式、低下する国内株式」という構図になっており、近い将来、外国株式が国内株式を上回る(国内株式が外国株式を下回る)逆転現象が起こる可能性があります。

 また、以下は、設問「今後、投資してみたい国(地域)」で日本、および米国を選択した方の割合です。

図:設問「今後、投資してみたい国(地域)」で日本、および米国を選択した方の割合

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 選択肢に「日本」が追加された2016年5月以降、2018年の半ばまで、日本を選択した人の割合が米国を選択した人の割合を上回る状態が続いていました。しかし、2018年後半から現在にかけて、米国を選択した人の割合が大きく上昇し、逆に、日本を選択した人の割合は低下しました。

 設問「今後、投資してみたい金融商品」では、国内株式が急上昇中の外国株式に追い抜かれそうになっており、設問「今後、投資してみたい国(地域)」では、日本が米国に引き離されつつあります。

 株価の上昇が目立ち、株価上昇の一因である利下げについて、今後も(利下げを)実施できる余地があり、そして中国と真っ向勝負ができる強いリーダーがいるなど、米国にあって日本にないこれらの複数の要素が、この2種類のデータから見える“海外シフト”の理由なのだと筆者は考えています。

 引き続き、設問「今後、投資してみたい金融商品」で国内株式、および外国株式を選択した方の割合、設問「今後、投資してみたい国(地域)」で日本、および米国を選択した方の割合に注目したいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2019年10月調査時点 (複数回答可)

投資対象 割合 前回比
国内株式 55.04% ▲ 8.00%
外国株式 52.19% + 12.24%
投資信託 36.48% + 3.50%
ETF 31.72% + 8.82%
REIT 18.92% +0.04%
国内債券 6.05% + 0.10%
海外債券 8.23% + 1.19%
FX(外国為替証拠金取引) 10.33% ▲ 0.60%
金やプラチナ地金 12.91% ▲ 2.32%
金先物取引 2.51% + 0.13%
原油先物取引 1.33% ▲ 0.05%
その他の商品先物 1.44% ▲0.51%
特になし 5.68% ▲ 0.39%
出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2019年10月調査時点 (複数回答可)

国名 割合 前回比
日本 35.23% ▲ 0.18%
米国 62.12% + 14.25%
ユーロ圏 4.87% + 1.12%
オセアニア 4.94% +0.29%
中国 9.00% +1.27%
ブラジル 5.75% +1.51%
ロシア 3.61% + 0.89%
インド 31.02% ▲ 0.43%
東南アジア 23.24% ▲ 0.17%
中南米(ブラジル除く) 2.66% + 0.07%
東欧 2.29% +0.44%
アフリカ 8.89% +0.01%
特になし 7.12% ▲2.80%
出所:楽天DIのデータより筆者作成