前日(9月12日)の市況サマリー

ドル/円:買戻し続き、110円の大台復帰

 この日もドル/円は買い戻しが続き、オープン時の安値109.23円から一方的に上昇を続けて、NY時間午後にはついに110円に到達、110.25円の高値をつけました。終値は109.233円(前日比+0.784円)。先週金曜日の安値と比べて、ほぼ3円もドル高/円安に戻ったことになります。(チャート1)

円高リスクは消えた?

 国連安全保障理事会は、北朝鮮に対する追加制裁決議を全会一致で採択。石油の全面禁輸には至らなかったものの、これまで以上に厳しい制裁になりました。だからといって、北朝鮮が核開発を素直に中止するとは思えません。地政学リスクが、これからもドル/円急落のリスク要因として、存在し続けることに変わりありません。
この上昇を見て円安トレンドへ戻ったと安心するのはまだ早いと思います。年末にかけて、ドル/円が再び107円割れを試すリスクはまだ十分に残っています。

 

ポンド:強い指標をきっかけに急騰

 ポンド/ドルは急上昇。この日発表された、8月のCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)が強く、ポンド買いが俄然、活気づきました。ポンド/ドルは1.3160ドルをこの日の安値に、1.3297ドルまで急上昇(チャート2)。ポンド/円は、円安も追い風となって、8月3日以来1カ月以上ぶりの高値となる146.53円まで大きく値を伸ばしました(チャート3)。

 

ユーロ/円:2016年2月以来の高値

 ドル/円が110円台にのせ、ユーロ/ドルもしっかりしていることで、ユーロ円は2016年2月以来のユーロ高/円安水準まで大きく値を伸ばしています(チャート4)。

 

今日の注目指標:英国指標、第2弾は?

昨日の8月CPIは、予想を上回る前年比+2.9%と強い結果になりました。

今日は英国の失業率が発表されます。雇用関係のデータでは、失業率以上に労働賃金が注目されています。賃金が上がらないまま物価ばかり高くなると、英国の消費意欲が減退する懸念があるからです。
 

 そして明日の午前は豪州と中国の指標に注目。8月の豪失業率は5.6%で前月比変わらずの予想。RBA(豪州準備銀行)は雇用市場に対して楽観的で、新規雇用者数の伸びは堅調なようです。