世界の主要な株価指数の中で日経平均が特殊である理由

 S&P500指数やナスダック指数、独DAX指数など、世界の主要な株価指数の大半は「時価総額加重平均型指数」です。これに対して、日経平均は時価総額を考慮しない「単純平均指数」であり、NYダウ平均と同じ算出方法となっています。ただし、大きな問題なのは、ダウ採用30銘柄の寄与度格差は数倍以内に収まっているのに対して、日経平均では700倍を超えているという異常な水準にあるということです。

日経平均が上がっても個人投資家の体感温度は低い?

 日経平均と個人投資家の体感温度に隔たりがあるのは、NT倍率(日経平均÷TOPIXで算出)が27年ぶりの高水準に拡大していることが原因です。日経平均採用の一部の値がさ株が買われる一方で、個人投資家が買いやすい株価水準が低い銘柄の多くがそれほど上がっていないのです。10月24日時点のNT倍率は13.81倍と、1992年以来の水準で推移しています。

 NT倍率に上昇傾向が表れる時は、株価が上昇しても個人の体感温度はそれほど高まらないことが多いのですが、今回も例外なくそのような展開になっています。これは、個人投資家がファーストリテイリングなどの値がさ株を持っているケースが非常に少ないことに起因しているのです。おまけに、個人投資家が好む新興市場では、マザーズ指数が2018年の2月に天井を付けて以来、右肩下がりで推移し低迷を続けています。個人投資家の懐具合はそれほど良くないと思われます。

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(中原圭介)

※この記事は2019年10月29日にマネラボサイトで公開されたものです。

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