※この記事は2020年6月4日に掲載されたものです。

監修:楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之

 安定・連続して高配当となっている優良銘柄を保有し、インカムゲインを定期的にゲットする…。心に余裕が生まれると、投資判断も冷静になり、投資がさらに面白くなるはず。「高配当銘柄」を選ぶために必要な基礎知識をおさらいしましょう!

[0]そもそも配当とは?

 高配当銘柄の説明をする前に、株式投資で得られるもうけ(利益)のおさらいをしておきましょう。株式投資で得られる利益には2種類あります。株価が買値よりも高くなったときに売って得る利益(キャピタルゲイン)と、株を保有することで得られる「配当」や株主優待のような利益(インカムゲイン)です。

 後者で登場した「配当」とは、会社が得た利益の一部を株主に還元するお金のこと。会社が得た利益が多ければ配当も多くなり、少なければ配当も少なくなり、利益を上げることができなければ配当はなし(無配)になります。現実の配当は会社の方針によって異なりますが、基本的にはこの考え方です。

 1年間で会社が株主に支払う配当の回数に決まりはありませんが、多くの会社は年1回か2回。年1回の会社は、3カ月ごとの決算発表(第1四半期、第2四半期、第3四半期、本決算)のうち、本決算時に配当を支払います。年2回の会社は第2四半期の決算時、2回目は本決算時に株を保有している株主に配当を支払います。

 配当の金額は「材料」によって頻繁に変わる株価とは違い、通常は会社から1年間の「1株あたりの配当予想」が示され、それに基づいて配当が行われます。例えば2019年3月期決算の「決算短信」(決算発表時に公表される決算速報)には、多くの会社が2020年3月期決算の業績予想と配当予想を載せていて、第2四半期末(2020年9月末)と本決算(2021年3月末)の1株あたりの配当金額を知ることができます。

 1株あたりの配当金額が50円なら、100株保有している株主は5,000円、500株保有している株主は2万5,000円というように、保有している株数に比例して受け取れる配当金額も多くなります。