NISAの落とし穴3:損失が出ている資産を5年経過後に課税口座(特定口座または一般口座)へ移管した場合

 NISAの非課税枠を利用できるのは5年間です。そのため5年経過後は、課税口座への移管、売却、ロールオーバーのいずれかを選ぶ必要があると説明しました。その中のひとつ「課税口座への移管」を選択する場合にも落とし穴があります。

 移管の際には、実際の購入額ではなく移管時の評価額が購入額とみなされます。仮に、100万円で購入したNISA口座の資産を5年経過後、課税口座に移管したとしましょう。資産額が50万円まで減少していた場合、課税口座に移管する際には「50万円で購入した資産である」という扱いになります。そのため、その後資産が値上がりして100万円になると、実際の利益は0円であるにもかかわらず、50万円に対して課税されることになってしまうのです。

落とし穴に気を付ければNISAは怖くない

 NISAは、賢く使えば大きな節税効果をあげられる制度ですが、落とし穴に気をつけないと思わぬ損失を出してしまったり、期待した投資ができなかったりする恐れがあります。しかし、こうした注意点をあらかじめ知っておけばリスクは回避可能です。落とし穴にはまってしまうことがないよう、NISAの注意点を知ったうえで十分にメリットを得られる投資を行いましょう。

※この記事は2018年11月9日に「美人のマネ活」で掲載されたものです。