NISAの落とし穴2:損益通算や損失の繰り越し控除ができない
NISAは「利益が出た場合に非課税」という大きなメリットがありますが、投資は常に利益を生むわけではありません。時には損失が出ることもあります。NISAで損失が出たときに知っておきたい注意点を説明しましょう。
たとえば、NISA以外の課税口座を利用して複数の投資を行っている場合、利益が出たかどうかは投資の合計によって決まります。A株式で20万円の利益が出たけれどB株式では10万円の損失が出たという場合は、利益は差分の10万円となり、課税もこの分に対してなされます。これが「損益通算」と呼ばれるものです。
ところが、利益20万円のA株式は課税口座、損失10万円のB株式はNISA口座で取引をしていた場合、この制度を利用することができません。NISA口座では利益が出ていないため非課税のメリットを受けることはできず、そのうえA株式の利益20万円に対しては全額課税されてしまうのです。また、一般口座では損失額を翌年に繰り越す「譲渡損失の繰り越し控除」が可能ですが、NISA口座ではこの制度も利用できません。