金投資の注意点

 金投資が株式投資と異なる最大の点は、「利息や配当金がつかない」ことです。金の価格が上昇しなければ、金投資で利益を得ることはできません。

 したがって、資産運用の中核として積極的に利益を狙うというよりは、万が一のときに備えて資産を守るために金投資するという位置づけになるのではないでしょうか。

 もし将来急激な円安になれば日本円の価値が大きく下がりますが、円の下落によって金価格は上昇します(金価格は米ドル建てのため)から、金の保有が円の価値の目減りを防いでくれます。

 なお、値上がり益しか利益が見込めないのですから、価格が高い時に一度にたくさん買わないようにしたいものです。現在のように金価格が高いときは、万が一のときの備えとしてまず必要最小限を買い、価格が大きく下がったら追加で買うという戦略も一法です。

金投資における税金の取り扱いは?

 手持ちの金地金や、純金積立で積み立てた金の現物を売却する際に生じた売却益は、総合課税の譲渡所得として課税対象となります。他の所得の状況によって税率が異なるため、人によっては数十%の税率となる場合もあります。純金積立の場合、頻繁に売買を繰り返している人は雑所得(総合課税の譲渡所得より不利)として取り扱われる可能性もあります。不明な点があれば税務署や税理士に相談するようにしてください。

 一方、ETFの売却益は上場株式と同じ扱い(分離課税の譲渡所得)となり、現在は税率20.315%です。このように、ETFは現物への金投資に比べて税金面でも有利といえます。