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『アパレル』業界は、商品面では働き方改革などの影響からカジュアル化が進んでいます。また業態面では、低価格と同時に品質も求める方向への消費の意識変化に伴い既存『アパレル』企業の苦戦が続く一方、ユニクロなど製造小売(SPA)が拡大、ネット通販も台頭するなど、『アパレル』業界は、転換期を迎えています。少子高齢化などで国内需要の拡大が期待できない中、企業の取り組みなどが注目されます。

 

【ポイント1】カジュアル化やSPAが台頭

『アパレル』業界は、これまでは生産、仕入れ、販売などで役割が分業化されていました。また百貨店などを中心に高価格帯を扱う企業と低価格を追求する企業とが並存していましたが、転換期を迎えています。

 商品面では、働き方改革や働く人の意識変化もあって、カジュアル化が進んでいます。また業態面では、価格と同時に品質も求める消費意識の変化などに伴い、企画から製造、小売までを一貫して行うSPAが主流になり、ネット通販も急拡大してきました。ただネット通販でも競争は激化しており、企業は対応を迫られています。

 

【ポイント2】カジュアル化により明暗

ZOZOを子会社化

 カジュアル化により、画一的なスーツなどから手ごろな値段の多様な服装を好む人が増えてきました。これにより従来型の百貨店中心の『アパレル』や紳士服専門店などが苦戦する中、ユニクロを展開するファーストリテイリングや機能性の高いアウトドアブランドを扱うゴールドウイン、ビジネスでも着回せる衣料品が好調なセレクトショップ大手のユナイテッドアローズなどの業績が堅調です。

 急成長していたネット通販では、大手『アパレル』が自社サイトを立ち上げる動きがあるなど競争が激化してきました。こうした中、ソフトバンク傘下のヤフーは9月12日、衣料品ネット通販大手のZOZOの子会社化を目指すと発表しました。これにより、ヤフーは若い女性など顧客層の拡充を図るとみられます。

 

【今後の展開】変化への対応が『アパレル』企業の明暗を分ける

『アパレル』業界は少子高齢化で国内の需要拡大が期待できない中、海外事業の強化に取り組んできました。ただファーストリテイリングなど一部企業を除くと苦戦しているのが現状です。国内事業では、『アパレル』に対する顧客の商品への嗜好や消費行動の変化は更に早まるとみられ、こうした動きへの対応いかんが今後も企業の明暗を分けるとみられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。