本日の注目通貨

トルコリラ/円:大幅利下げ、しかし急反発

 トルコ中央銀行はこの日(12日)、政策金利を19.75%から325bp 引き下げ16.50%に設定しました。市場予想の17.25%を大きく上回る利下げ幅でしたが、トルコリラは逆に急反発。トルコリラ/円は18.63円を安値に19.07円まで急上昇しています。トルコリラ/円が19円台にのせたのは8月19日以来のこと。

 エルドアン大統領の政治圧力にもかかわらず利下げ幅が400bp未満だったことが評価された、といわれています。果たしてそうでしょうか。リスクオフのマーケットならばトルコリラは急落していたかもしれません。トルコ中央銀行の政策が良かったからではなく、センチメントが「リスクオン」に切り替わったことが理由だと思います。リスクオンでマーケットがトルコリラを買うタイミングを待っていたようです。これは、ECB会合後のユーロにもあてはまります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ユーロ/円:ECB利下げ、ユーロは急反発

 ECBはこの日の会合で、積極的な緩和政策を打ち出しました。政策金利を0.00%に据え置く一方でデポ(預金)金利を▲0.4%から▲0.50%に引き下げ。さらに月額200億ユーロ規模の量的緩和を再開しました。フォワードガイダンスも変更して、ECBの緩和政策の終了時期を区切らずインフレ見通しが満足のいく水準になるまで(永遠に)続けると、ハト派色を強めました。

 ユーロ/円は直後に117.56円まで急落しましたが、その後119.82円まで大きく反発。ユーロ/円は2017年4月以来2年4ヵ月ぶりの安値圏に位置しているので、イベント終了を待って買いが入っている模様。マーケットのセンチメントがリスクオンに切り替わっていることも、ユーロを買いやすくしています。

 ユーロ/円が7月につけた高値123.35円と115.87円の50%は119.60円。このレベルが短期的なブルベアの分岐点です。このレベルで値固めをしてさらに上を目指すなら、次は8月高値120.70円、その次は7月高値123.35円がターゲット。なお、今年の高値と安値の50%は121.69円。サイドは117.50円、その下は116.55円(8月安値)、115.87円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ドル/円:108円台、買い強い

 ドル/円は、海外時間に一時107.52円まで下げたものの、売りをこなして108円台で終了。すでに107円台前半で買い場になっているようで、この水準から106円前半にかけて押し目買いが並んでいる模様。次のターゲットは108.20円で、今年の高値と安値の半値に相当するレベル。その上は109円。このドル高/円安相場はいつまで続くか。米中貿易交渉次第、ということもありますが、来週のFOMCが区切りでいったん見直しかもしれません。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成