1.5%の利回りがもらえる米国の国債

 このような状況では、1.5%も利回りがもらえる米国の国債は、世界の投資家にとって非常に魅力的に映るでしょう。近年、世界中の資本はより自由に動き回るようになりましたから、ヨーロッパの国債利回りが低下すると、利回りの高い米国国債に資金が流れると共にドル高になるので、結局ヨーロッパのデフレが米国に輸出される結果になります。

 こうして、現在の国際金融システムでは、ある地域にデフレ傾向が出れば、それは金利や為替を通じて瞬時に他国に輸出される構造になっているのです。現在の米国長期金利低下要因のほとんどは、米国経済ではなく、このようなヨーロッパをはじめとする世界からの資金流入という需給要因によるものでしょう。

 一方で米国株式の「利回り」はとても魅力的な水準にあります。この30年ほど、S&P500指数の益利回り(純利益を時価総額で割ったもの)はおおむね4~7%の間で推移していますが、現在2020年予想ベースで、このレンジの上に近い6.3%で取引されています。益利回りと10年物国債利回りの差が5%以上開いたのは金融危機とギリシャ危機の時のみでしたが、現在それに近い4.8%の差となっています。