日本の生産性は先進国の中で最低水準
1995年から2015年までの間ですが、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の実質経済成長率は2.1%ですが。日本は1.3%と最低水準です。
生産性は3つの要素に分けられます。「人的資本」は何人の社員で何時間働いてもらったのか。「物的資本」は労働者に働いてもらうための設備投資、そして後でお話する「全要素生産性」です。
日本の実質経済成長率1.3%の内訳は、人的資本はG7平均0.5%に対して日本は0.4%。物的資本は平均0.9%に対して日本0.8%。ほとんど差がありません。労働者の問題ではないと言うことです。
生産性を計算するとき、人の数、働いている時間、設備投資の要素だけでは説明できない部分があることに気がつきます。それが全要素生産性です。
社員教育により一人一人のスキルが上がったとか、商品のブランド力が強くて高価格で販売できるとか、最先端技術を開発できたとか、ビジネスモデル改革に成功したとか、そういったことが全要素生産性に含まれます。
そこで全要素生産性に注目すると、G7平均0.8%に対し日本は最低の0.2%にとどまっています。米国の5分の1、英国の8分の1、イタリアの半分以下です。日本の技術力は世界1、2という高評価、人材評価も4位と高いのに、生産性はなんと28位です。技術力と人材の評価は極めて高いのに、先進国の中では最低の生産性にとどまっている。
日本の多くの企業は税金をほとんど払っていません。超低金利でお金を借りることができます。従業員は優秀です。技術力も抜群にいいのに、生産性が極めて低いために、最低水準の給料しか払うことができません。
日本の一人当りの生産性はイタリアやスペインに比べて10%くらい低く、破たんしたギリシャに比べても3%高いだけです。だからこそ、私は今がチャンスと考えています。高い技術や高い人材評価と低い生産性のギャップを埋める作業により、経済成長が可能になるからです。
次回は、生産性を高めるためにどうすべきかについてお伝えします。>>