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9月は通貨大乱の月?
ハッサク
ハッサクのなるほど為替超入門
為替ディーリング歴22年。現役時代は行内で為替業務を社員に教示するなど、為替のイロハを熟知。「お金は、戦後最大の成長産業」と言い切るハッサク。「新聞などの身近な情報で為替分析」が…

9月は通貨大乱の月?

2017/9/6
・今年のドル円のレンジ幅が狭く
・歴史が示す9月の為替大変動
・今年は9月の「通貨大乱」は起こるのか
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今年のドル円のレンジ幅が狭く

 今年も1年の3分の2が過ぎ、残り4カ月となりました。しかし、ドル円の今年のレンジは、いまだ10.47円(高値118.60円、安値108.13円)と4月時点と変わらず、昨年のレンジ22.70円の約半分です。

 2010年以降から見ると、昨年までの7年間の年間平均レンジは15.49円で、平均と比べても、今年は狭いレンジで動いています(「IMF経済審査」2017年7月6日参照)。今年一番の安値108.13円を付けた4月17日以降のレンジで見ると、さらに狭まっていて、高値は114.50円を抜け切らず、6.36円の狭いレンジとなっています。

 昨年は、英国のEU離脱を問う国民投票(Brexit)や米国の大統領選挙など、ビッグイベントがあったため大きく動きました。今年も昨年ほどではありませんが、現在までにオランダ、フランス、英国など欧州の選挙や、米国の利上げがありました。

 しかし、欧州選挙が無難に終わったことや、利上げペースも慎重だったことから一方向に大きく相場を動かす材料にはなりませんでした。

歴史が示す9月の為替大変動

 このような環境の中で9月がやってきました。

 9月といえば、為替の世界では最も警戒する月と位置付けられ、個人的にも為替相場が大きく乱れる「通貨大乱の月」と呼んでいます。

 「通貨大乱」が起こると大きく相場が荒れることを、歴史が示しています。その歴史を知っておくことは、今後の相場シナリオを考えていく上でも、役に立ちます。下表で過去の大きな「通貨大乱」を紹介します。  

9月の「通貨大乱」 の出来事

 これらの出来事をハッサクはすべてマーケットの渦中で経験しています。それぞれの出来事は強烈ですが、最も記憶に残るのは、やはりプラザ合意です。

 プラザ合意は、それまでのドルの枠組みが180度転換する出来事でした。

 印象的だったのは、相場は大変動したのですが、この直後はこの合意がどのよう意味を持ち、世の中がどのように変わるのかまでは、マーケット参加者もなかなか理解できなかったことです。

 そして、2日で20円の円高になったことから、これは大変な出来事が起こっている、一時的な動きではなく構造的な変換の動きだと、やっとマーケット参加者や企業が理解しはじめました。ドル円は1年後には150円台に、3年後には120円台まで円高となりました。

 これらの出来事で留意しておく必要があるのは、米国同時多発テロやリーマン・ショックでは、円高には動いたのですが、ドル不足からドル高地合いとなったことです。

 リーマン・ショックでは、ほかのファンドなども解散や破綻に追い込まれたことから清算のためドルが必要となり、ユーロや豪ドルなどは猛烈に売られました(ユーロ売り・ドル買い、豪ドル売り・ドル買い)。その結果、ユーロ円や豪ドル円などのクロス円が円高となり、ドル円はドル高地合いの中にもかかわらず、このクロス円の円高に引っ張られて円高に動いたようです。

 手元の記録でみると、10月の値動きは、ユーロ円が約37円の変動(150.58→113.62参考値)、豪ドル円が約30円の変動(85.15→55.05参考値)となっています。このクロス円の動きに対して、ドル円は15.67円の変動(106.54→90.87)となっています。

 この動きは今後の参考になります。「米国発の金融危機が起こったときは、ドルのレパトリエーション(資金の本国回帰)が起こる可能性がある。その時、為替市場ではドルが買われ、ドル以外の通貨が売られ、その結果クロス円は円高となり、この円高に引っ張られてドル円も円高になる」という動きです。

今年の9月は「通貨大乱」は起こるのか

 さて、今年の9月は「通貨大乱」は起こるのでしょうか。過去の出来事の中で、2001年の米国同時テロ以外は、予兆的な動きはありました。プラザ合意の前は、高インフレを抑制するために米国は金融引き締め政策を取り、米金利は20%に達するまで上昇した結果、ドル高となっていたのです。

 その結果、米国との貿易不均衡是正が問題となりました。9月に起こるかどうかはわかりませんでしたが、このドル高問題はいずれ是正されるのではないかとマーケット参加者は感じていました。ポンド危機は、9月に入ってからそのような動きが出ていました。リーマン・ショックは、前年からサブプライム・ローンは問題となっており、前年8月にはパリバ・ショックが起こっていたため、すでに金融市場は荒れていました。

 それらの出来事に比べると、今年は大きな出来事が起こるという予兆は、マーケットの反応を見ている限り感じられません。北朝鮮リスクは、本当に武力衝突が起これば大変なことになりますが、マーケットの反応は武力衝突までは織り込んでいない動きを見せています。しかし、大きな出来事が起こる予兆はないようですが、今月は次のように重要なイベントが目白押しです。

 このラインアップを見ると今後の転換点となる得るかもしれないイベントが揃っていると言えます。これらが複合的に絡み合った場合、「大乱」はなくても「中乱」や「小乱」は起こり得るかもしれません。やはり、私は、9月は身構えて臨むという習性は抜け切れません。

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