前日(9月4日)の市況サマリー
ドル/円:終値は108.81円
この日のドル/円は、東京時間の朝に上値を試したものの、高値は109.83円まで。マーケットの重さを確認すると、NY時間には109円を下抜け108.63円まで売られました。(チャート1)
ドル/円が下げた理由は、地政学リスクもありますが、それ以上にFOMC(連邦公開市場委員会)メンバーの発言でした。ブレイナード・FRB理事やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が、インフレ水準が低いことを理由に、相次いで利上げに対して消極的な姿勢を示したことで米長期金利が低下し、ドルが売られました。終値は108.81円(前日比-0.865円)。8月21日以来の109円割れで引けています。
豪ドル:0.8027ドルまで上昇
RBA(豪準備銀行)はこの日の会合で、予想通り政策金利を1.5%に据え置くことを決定。RBA声明では、豪ドルレートの水準について、「豪ドル高は経済成長を鈍らせる」との指摘があり、豪ドル/ドルは0.7945ドル前後に下落しました。
しかしその後、ロウ・RBA総裁が、低金利政策を継続することのリスクについて発言したことで、買戻しが優勢に。FOMCのメンバーからの利上げ消極発言もあって、豪ドル金利の優位性が意識されて、豪ドル/ドルは、ここ1カ月の天井だった0.80ドルを上抜け、0.8027ドルまで上昇しました。(チャート2)
豪ドル/円は87.60円まで上昇したものの、ドル/円が足を引っ張る形となり、86.72円まで下げました。
今日の注目通貨は、 カナダドル
カナダドル:カナダ銀行が強気姿勢を維持
今日はカナダ銀行(中央銀行)が政策金利を発表します。
良好な経済指標を背景に、カナダ銀行は経済見通しに強気です。カナダ銀行総裁は、「今までのような景気刺激策は必要ない」として、8月には利上げを実施。資源通貨でもあるカナダドルは、原油価格の回復もあって、2015年6月以来の水準まで、カナダ高が進んでいます。
マーケットには利上げ期待もありますが、市場予想では、政策金利を0.75%に据え置きの見通し。カナダ銀行が強気姿勢を維持して、来月以降の利上げに含みを持たせるのであれば、カナダ高トレンド継続、反対に弱気へと変化しているならば、ここまでのカナダ高に調整が入る可能性があります。米国とのNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の行方が不透明なことも、政策判断に影響を与えると思われます。
カナダ/円は、先週の米雇用統計発表後に7月以来の89.06円まで上昇しました。しかし、地政学リスクによる円高の影響で、87円台後半まで下げています。(チャート4)
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