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ネット経由でコンテンツを配信し、ユーザーが専用ゲーム機・ゲームソフト不要でプレイできる『クラウドゲーム』に対する注目が高まっています。『クラウドゲーム』は次世代通信規格「5G」が普及すれば、市場が拡大すると期待されています。こうした状況を受けてゲーム専用機で長らく競合していたソニーとマイクロソフトが『クラウドゲーム』で提携を発表しました。提携の動きは今後加速するとみられており、その動向が注目されます。
【ポイント1】『クラウドゲーム』の普及を次世代通信規格「5G」が後押し
『クラウドゲーム』は、ゲーム供給会社がネット経由でコンテンツを配信し、データセンター側で処理を行うため、ユーザーは専用のハード・ソフト不要でプレイできる点に特徴があります。現在の通信技術では通信の遅延などが問題となっていますが、「5G」が普及すれば、問題が解消され市場が拡大するとみられています。
【ポイント2】『クラウドゲーム』でソニーとマイクロソフトが提携
ゲーム事業が連結利益の約3割を占めるソニーは、5月17日に、ゲーム専用機で競合関係にあったマイクロソフトとクラウドサービスや人工知能(AI)分野での提携を発表しました。ゲームソフトをネット配信するクラウドサービスで共同開発に乗り出します。この背景には、「5G」普及後の『クラウドゲーム』台頭への対応や、世界中を結ぶデータセンターを有し年内に『クラウドゲーム』の商用サービスを開始するグーグルなどに対抗する目的などがあります。
ゲーム事業では今回の提携は『クラウドゲーム』の分野にとどめ、ソニーは「プレイステーション」、マイクロソフトは「Xbox」のブランドで、ゲーム機やゲームソフトは今後も両社が独自に展開します。ソニーが世界シェアの約5割を持つ画像センサー半導体とマイクロソフトのAI技術の連動も検討します。
【今後の展開】『クラウドゲーム』で提携が加速
ゲームは、専用機が中心でしたが、その後スマートフォン向けゲームが拡大しました。今後は普及には一定の時間はかかるものの、『クラウドゲーム』にゲームの競争軸が移っていき、多くのユーザーとデータセンターなどの設備を抱えプラットフォームを提供するグーグルやアップルなどとの競争が始まると考えられます。自動運転分野で従来の垣根をこえた連合づくりが進むように、ゲーム業界でも垣根をこえた提携が加速していくとみられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。