今回、金融庁が示した人生100年時代の方針「老後自助資金2,000万円必要」は、多くの人に衝撃を与えました。これによって、節約や資産運用の重要性に目を向けることにつながるなら良いなと思う半面、無理な節約を始める人や、パニックのままリスクの高い手段で資産運用に走る人が増えるのではないかと不安にも感じます。
日本では、金融教育を受ける機会がほとんどありません。社会に出て、今回のように「自助努力が必要」と急に突きつけられても、今から何をしていいか分からない方も多いでしょう。
では、人生100年時代を難なく過ごすにはどうするべきか。
一人ひとりのハッピーはさまざまですが、全ての人に共通の対処法「100歳までの家計シミュレーション分析」によって、人生100年時代を乗り切ることができるのです。その方法について紹介したいと思います。
家計から考える人生の収支
家計というのは「収入-支出」で成り立っています。実にシンプルです。
一生涯の収入(現役世代の所得と老後の年金の合算額)から一生涯の支出を引き算し、マイナスにならなければ、お金に困らず生涯を終えることができます。逆にマイナスになってしまえば、家計は破綻します。
人生100年時代と言われるようになり、金融庁が報告書を発表する事態になった今、何が変わったのでしょうか。
分かりやすくするため、収入面と支出面をザックリ比較します。
収入面
→ 収入はあまり変わっていません。
→ 老後の年金はわずかに減少、もしくは現状維持の傾向です。
支出面
↑ 長生きする分だけ老後の必要資金は大きく増えます。
↑ 円安のリスクやインフレのリスクがあります(物価上昇)。
収入面は増えずに、支出面だけが増加傾向にあります。
「現実を見て、早めに対策を」が今回の金融庁の発表の主旨でしょう。