本日の注目通貨

ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円:FRBは利下げするしかない?

 週明けの東京市場は、対メキシコ関税撤回を好感してドル買いが優勢に。しかし、この問題が発生する直前のドル/円のレベルは109.60円前後なので、まだ影響を完全に脱しきれていないともいえます。一方ユーロ/円のレベルは122円前後、豪ドル/円は75.85円前後だったので、ユーロ/円はすでにメキシコ関税ニュース前のレベルを超え、豪ドル/円は当時のレベルに戻ったわけです。

 米労働省が発表した5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が+7.5万人で、事前予想より10万人以上も少ない結果となりました。雇用は製造業からサービス業まで全ての部門で弱く、さらに前月分も下方修正。一方、失業率は3.6%で先月と変わらずで、半世紀ぶりの低水準を維持しました。

 平均時給は、前月比+0.2%、前年比+3.1%で、予想をそれぞれ下回る結果。失業率の下落や生産性の改善で平均労働賃金は上昇傾向が続くと見られますが、現在の米労働市場が特に逼迫しているわけではなく、急上昇するような状況ではありません。上昇ペースは今後も緩やかなままでしょう。全体として5月雇用統計は弱さが目立ち、米景気後退入りの不安をいっそう掻き立てることになりました。

 マーケットでは、米国の「7月利下げ」予想がすでに90%まで高まっています。ここまでくるとFRB(米連邦準備制度理事会)が何もしなければ、政策ミスだと厳しく批判されることになります。今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)には方針が発表されるので要注目。

出所:楽天証券作成
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