2017年に1度撤退、しかし2018年春に「仕込み」再開

──昨年は長く続いたアベノミクス相場が下落に転じ、投資家にとっては厳しい1年でした。とくに10月以降は乱高下が激しく、大きな損失を出した人も少なくないようですが、エナフンさんはどうでしたか?

 前回、リーマン・ショック前に保有していた株を売り払ったと話しましたが、実は2017年も1度市場から撤退したんです。そのとき持っていた主力銘柄が売りどきだったし、新たに買ってみたいと思う銘柄もほとんどなかった。業績だけ見ればいい会社はたくさんありましたが、どこも割高で手を出す気にはなれなかったんです。だったら無理に持つこともないかなと。

──すべて現金化したということですか。

 まあ、そうです。一部は投資信託や債券にまわしましたが。

──個別株から足を洗おうと思ったわけではない?

 もちろんです。また割安な株が出てきたら復活するつもりでした。実際、売却したあとも情報収集は欠かさなかったし。

──結局、いつ再開したのですか。

 2018年の春過ぎくらいから少しずつ買い始めています。割安感のある銘柄がちらほらと見られるようになったので。

──その頃も相場は決してよかったわけではないですよね。

 先ほどいったように、私のやり方は3~5年で2~3倍に上昇しそうな銘柄を狙うというものです。だから、割安な価格で買えるか、今後成長する可能性を秘めているかが大事なのであって、今現在の相場がどうかはあまり関係ないんです。

──なるほど。2018年の春過ぎに買った銘柄は、その後の相場の状況を考えると下がっている可能性も十分あるでしょうが、2019年の今の時点で下がるのはぜんぜんOKということですね。

 ある意味、想定内ですし、そのうち上昇に転じるだろうと気長に構えています。

──投資初心者だと下落するとあたふたしてしまいそうですが。

 大事なのは業績をきちんと見ておくことです。相場がどうなろうと業績が伸びていれば心配することはありません。そのことを肝に銘じてほしいですね。

──今は将来、値上がりする株を仕込む時期としては悪くない時期なのですね。

 割安成長株がたくさん放置されているというわけではないですよ。でも、2017年あたりに比べたら見つけやすくなっています。

──エナフンさんが今現在、どんな銘柄に目をつけているのか知りたいところですが(笑)。

 そこはご想像にお任せします(笑)。とにかく丹念に探してみることです。