丸井の育児休暇取得率は、9割超え!
では具体的に、サステナブルな企業はどういった取り組みを行っているのでしょうか?
ここでは丸井グループの例を見てみましょう。同社はビジネスを通じて持続的な社会、地球環境を実現するために顧客、従業員、投資家、取引先、将来世代とともにサステナブルな取り組みを行うことを標榜しています。
2050年に向けた長期のビジョンを作成し、途中経過を積極的に発信。世界的な株価指数算出会社であるMSCIのサステナブル関連指数にも含まれています。
丸井グループはサステナビリティに関して様々なデータを公表していますが、そのうちのいくつかを見てみましょう。
図7は、同社の二酸化炭素排出量の推移です。これは自社で直接排出したもの以外に、原材料の調達や輸送、顧客が購入した後の排出量までを含んだバリューチェーン全体のCO2排出量です。
日本では年間100万トンの衣料品が廃棄されているといわれていますが、そのうち再利用、再資源化されるのは3割未満とされています。同社では不要になった衣料品などを下取りして再利用に回したり、使用頻度が低いドレスなどをシェアリングできるサービスを開始し、ドレスの生産量そのものを減らしたりすることで環境保全と顧客サービスの深化を進めています。こうした取り組みが奏功し同社のCO2排出量は減少傾向となっていると考えられます。
図7 丸井グループのバリューチェーン全体のCO2排出量
図8は男性社員の育児休暇取得率を表しています。2014年には男性社員で育児休暇を取得したのは1割強にとどまっていましたが、2017年には9割を超える水準にまで高まりました。日本企業全体で見ると、男性の育児休暇取得率は5%程度に留まっており、如何に同社の取り組みが進んでいるかが分かります。人の成長が企業の成長であるという考え方をベースに、組織風土や人材への投資を重視する同社の姿勢が伺えます。