前日(8月24日)の市況
ドル/円:イエレンFRB議長の講演に注目!
今夜のイベントを控えて、この日のドル/円は小動きながら、やや円安に推移。東京時間の朝に108.83円まで売られましたが、この水準で3営業日連続下げ止まると、その後は徐々に買い戻され、NY時間の終盤には109.59円の当日高値をつけました。終値は109.537円(前日比+0.515)。(チャート1)
今夜の見通し
日本時間の今夜、ジャクソンホールで、マーケットが待ちに待った、イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長とドラギECB(欧州中央銀行)議長の講演が行われます。ジャクソンホールの経済シンポジウムが、どうしてこれほど注目を浴びるようになったかというと、2012年と2012年に、当時FRB議長だったバーナンキ氏が、米国の量的緩和の実施を表明してマーケットを驚かせたことが始まりです。それ以来、ジャクソンホールは非常に重要な金融政策の発表の場として、世界の金融市場の耳目を集めるようになりました。たとえば去年はイエレン議長が、「利上げへの論拠が強まってきた」と発言したことも記憶に新しいところです。FRBはその4ヵ月後に1年ぶりの利上げを実施しました。
今年のシンポジウムは、去年までと違ってインフレが主要議題ではなくなったので、FRBの再利上げとか、ECBの量的緩和の終了時期などについての具体的な発言はあまり期待できないでしょう。それでもマーケットはイエレン議長とドラギ総裁の真意を忖度しようと、ジャクソンホールの講演を待ち構えています。
ドル/円は、年初来の最安値に近い水準で取引されています(チャート2)。イエレン議長が強気に映るなら、値頃的にはここが買い場と見るトレーダーもいるようです。あるいは、ドラギ総裁が慎重居士なままで、期待外れとユーロ/ドルが売られ、ユーロ/円と共にドル/円が下落することもありえます。
今日の予定
本日は、イエレンFRB議長とドラギECB総裁が、米国ワイオミング州のジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムで講演を行います。イエレン議長は、金融の安定をテーマに講演を行うことが発表されています。ドラギ総裁は今週水曜日、「金融政策は新たな取り組みに対して常に準備すべきだ」と、ECBが量的緩和の縮小に前向きな発言をしています。
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