本日の注目通貨
ドル/円:日銀決定会合に期待
ドル/円はレンジを円安にやや引き上げて111円後半の取引となりました。
本日は日銀政策決定会合と黒田総裁の定例記者会見の予定。内閣府が日本の景気判断を引き下げ「後退局面入り」の判断を示したことを受けて、日銀が緩和姿勢を強めるのではとの期待が出ています。NY時間のマーケットで米長期金利が強含みで推移したこともあり、日米金利差の拡大期待からドルが買われ、円が売られました。
チャート的には、111.35円前後を走る100日/200日移動平均線を再び上抜けしたことが弾み。しかし、112円台には手が届かず失速。トランプ大統領と中国国家主席の首脳会談延期のニュースは米中貿易交渉が難航している証拠だとして、リスクオンになりきれませんでした。
ポンド:ブレグジット期限の延期決定。ただし条件つき
木曜日のポンド/円は、148.88円まで年初来高値を更新。しかし149円に届かず逆に150ポイントほど押し戻されて147.36円まで下押して、その後は148円を挟んだ動きが続きました。この日はブレグジット期限延期についての採決があったのですが、可決は確実との見方で動きはありませんでした。
終値は147.88円で、高値更新したにもかかわらず、終値ベースでは前日比を下回りました。ポンド/円の勢いが弱まったことを示唆しているようです。
英議会は今週、メイ首相の離脱協定案とノーディール・ブレグジット(合意なし離脱)の両方を否決。そして迎えたブレグジット劇場3夜目は、EU離脱日の期限延長を412対202で可決しました。
もっとも、英国が勝手に延期を決められるわけではなく、EU側の承諾が必要。そのためには、正当な理由が求められます。たとえば国民投票をもう一度実施するから時間が必要というのは理由になりますが、これは却下されました。
そこで、メイ首相が来週中に3度目の重要な投票(meaningful vote)を行い、そこで離脱協定案が可決されたら「6月末まで」、できなかったら「長期間」という条件のもとで延期するとしました。長期間の延長はEU側も望んでいることで、実質的には「ノーブレグジット(離脱なし)」と同じ意味を持ちます。
メイ首相の離脱案は149票差で今週否決されたのですが、この差を週末で覆すのはほぼ不可能といわれていました。しかし「ノー・ブレグジット(離脱なし)」になってしまうことを恐れる離脱派議員がメイ首相の離脱協定案の支持に回ることも考えられ、予断を許さない状況です。