今週ドル円に関係する政治的イベント

 さて、今週は27~28日の米朝首脳会談や3月1日の米中通商協議の交渉期限など政治的イベントに加え、パウエル議長の議会証言(26~27日)や米国10-12月期GDP(国内総生産)の速報値(28日)があります。

 米朝首脳会談は非核化の進展は期待できず、朝鮮戦争の終結宣言と平和協定や経済開放の道筋が示されるようなサプライズが出ない限り、新味はなさそうです。

 米中通商協議については、株式市場ではかなり織り込んだ動きとなっています。そのため協議が、トランプ大統領が事前に示唆した内容(交渉期限の1カ月延長や制裁関税引き上げ先送り)通りになっても、株の一段高は期待できそうもないかもしれません。3月予定の米中首脳会談で更に発展した合意が出れば株の一段高が期待でき、ドル円も円安方向に動く可能性があるかもしれませんが、そうでなければ首脳会談後は材料出尽くしからの調整が起こるかもしれません。

 また、1カ月遅れの米国GDP速報値は従来の改定値も含んだ数字となることも予想され、サプライズ指標となる可能性もあり警戒する必要がありそうです。

 ドル円は、これらのサプライズが出なければ動意の乏しい展開が続くかもしれません。一日の値幅が狭まってきており、一日だけでなく週平均の値幅も狭まってきていることから、2014年前半と同じような動意の乏しい動きが長引くこともシナリオとして考えておく必要があるかもしれません。