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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。2019年1月の『街角景気』は、暖冬や世界的な景気減速懸念等から、足元の景況感を示す現状判断指数(DI)が悪化しましたが、景気の先行きを示す先行き判断DIは、大型連休への期待等から改善しました。
【ポイント1】現状判断DIは前月比▲1.2ポイントと2カ月連続で悪化
先行き判断DIは2カ月ぶりに改善
2019年1月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比▲1.2ポイントの45.6でした。景況感の悪化は2カ月連続です。水準は13カ月連続で景気判断の節目となる“50”を下回りました。
項目別では、企業動向関連、雇用関連のDIは前月比で上昇したものの、家計動向関連のDIが低下しました。家計動向関連のなかでは、小売関連や飲食関連の落ち込みが目立ちました。
一方、先行き判断DIは前月から+1.5ポイント上昇の49.4と、節目の“50”を下回っているものの、2カ月ぶりに改善しました。項目別にみると、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の3項目とも上昇しました。
【ポイント2】景気にネガティブな単語の使用頻度が更に増加
「暖冬」、「消費税」、「株安」といった単語が目立つ
街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの現状判断に関するコメントからは、ネガティブな単語の使用比率が2カ月連続で大きく上昇しました。一方で、ポジティブな単語の使用比率も2カ月連続で減少しており、ウォッチャーの景気スタンスが一段と悪化したことが窺われます。
1月は「暖冬」による冬物衣料の売れ行き不振などの一時的な要因に加え、 「消費税」 や「株安」への漠然とした警戒がウォッチャーの景況感を押し下げたとみられます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な例として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】大型連休や改元などのイベントに期待
内閣府は景気ウォッチャー調査の基調判断を、「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」と据え置きました。先行きについては、「海外情勢等に対する懸念もある一方、改元や大型連休等への期待がみられる」としました。先行き判断をテキストマイニングで分析すると、「大型連休」や「改元」等のイベントに関する単語の使用頻度が目立って増加しており、明るいイベントへの期待感が、ウォッチャーの先行きの景況感を支えていることがわかります。今後に控える大型連休や改元等のイベントに期待したいものです。