J-REITは堅調!?
先生:前回、もうひとつ、グラフを出したんだけど、覚えているかな?
しんた:J-REIT(ジェイ・リート:国内の上場不動産投資信託)ですね。16話で見た、オフィスの空室率、引き続き下がっているみたいです。つまりは、稼働率は引き続き上昇中。だから、J-REIT指数も上昇中。
東証J-REIT指数(日次) 2016/12/22~2019/2/12
ひな:あれ、しんた君、不動産は弱気じゃなかったっけ?
しんた:うん。今でも弱気。
ひな:へんなの。
先生:まぁまぁ。しんた君の言うとおり、これ以上空室率が下がる可能性は少ないからね。それに、他の資産より値動きが激しくなくて、利回りがそこそこ高いから買われた側面もあるんじゃないかな。
ひな:あ、さっき言ってた、年末にいろいろな資産を売ったお金、J-REITに回った可能性もありますね。
しんた:そうそう!それ、言おうと思ってた!
ひな:しんた君、空室率が上昇局面(稼働率が下落局面)に転じてもいないのに、なんで弱気なの?
しんた:実はね、気になるグラフを手に入れたんだよ。
首都圏の新築マンションの初月契約率と在庫戸数(月次) 2007年1月~2018年12月
しんた:初月契約率、って、当初募集から1カ月の間に契約された割合で、好況不況の基準ラインが70%と言われているんだ。2016年以降、70%割れが増えてきたんだけど、衝撃的なのが、足元のデータ。
10月が68.3%→11月が53.9%→12月が49.4%。12月の数値は約27年ぶりの低水準。
ひな:27年ぶり! 私、生まれてないし!!
先生:在庫も急増してるね。リーマンショック当時と肩を並べる水準だね。
しんた:アメリカのサブプライムショックの影響もあったと思うけど、日本でも2007年に住宅市況が不動産市況全体に先行して悪化したんだ。だから、今回も住宅市況の悪化が不動産市況に先行しているかもしれない、と思って。
ひな:なんか、説得力ある!
先生:しんた君、勉強してるね!!
しんた:えへ。この話、ぜーんぶ父さんの受け売りです!!!
ひな:…。
先生:……。いわなきゃいいのにね。
ひな:私もそう思う。
■参考資料
米国10年国債終値(日次) 2017/12/22~2019/2/11
WTI原油価格終値(日次) 2017/12/22~2018/12/24
S&Pバンクローン売買価格終値(月次) 1998/12~2019/1
バンクローンETF終値(週次) 2011/3/4~2019/2/1
ハイイールド社債ETF終値(月次) 2007/4~2019/1