株が下がると現金を増やし、上がると現金を減らす投資家

 株価というのは短期的には投資家心理で動くので、下がっているときに買って、高くなりすぎたときに売った方がいいというのは直感的に分かると思います。

 たとえば、東京23区内にある駅近の新築ワンルームマンションが1,500万円だったら安いと考えると思いますし、逆に3,000万円だと高いと思うでしょう。ただそれが投資になると逆の動きをしてしまいます。

<株価の動きと反比例する投資家の現金比率>

(出所:“Quantitative Analysis of Investor Behavior, 2016,” DALBAR, Inc. www.dalbar.com)

 この図は赤の折れ線がS&P500で、青の折れ線がマネーマーケットファンド、つまり投資家の現金比率になります。2000年のITバブル崩壊後に株価は急落しており、その時に投資家はファンドを売却して現金比率を上げています。

 また2008年のリーマンショックの時には短期間で株価が半分になったこともあり、慌てた投資家が下落の恐怖から一刻も早く逃れるためにパニック売りをし、現金比率を半分ぐらいまで上げていることがわかります。

 またリーマンショックの後、株価が上がっていき強気が大勢を占めると、現金比率を一気に下げて投資に回しているのがよく分かります。