前日(8月17日)の市況

ドル/円:トランプ大統領の対応に非難が集まり、米国株式が大幅下落

 前日に発表された米国のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録に対しては、市場参加者のほとんどが、「弱気」な内容だったという印象を持ちました。米国の再利上げはしばらくないということで米長期金利が低下。そしてドルが売られました。

  米国では白人至上主義をめぐる衝突でトランプ大統領の対応に非難が集まり、企業イメージに傷がつくことを嫌った経済政策助言機関のメンバーが相次いで辞任。追い討ちをかけるように、この日はコーン国家経済会議委員長辞任のうわさがマーケットを駆け巡りました。トランプ大統領の経済政策の実現の可能性がさらに遠のいたことに失望して、米国株式が大幅下落。S&P総合は過去3カ月で最大の下落率を記録しました。

  ドル/円は東京時間に110円割れ。109円台後半でいったん下げ止まり、欧州時間に110.36円まで盛り返す場面もありましたが、勢いは長続きせず、NY時間の午後には109.36円まで売られました。終値は109.55円(前日比-0.622円)。(チャート1)

今日の見通し

8月のドル/円は、上サイドを3回チャレンジして、すべて失敗。FOMC議事録で日米金利差を理由としたドル買い理由が薄れてしまいました。トランプ政権のゴタゴタや、まもなくやってくる債務上限などを考えると、今のドル/円に111円台を上に抜けるパワーはないように思えます。上値攻めはいったんあきらめ、下限を試す動きが強まりそうです。(チャート2) 

 

ユーロ/ドル:今月の安値となる1.1662ドルまで下落

 ユーロ/ドルは、欧州時間に今月の安値となる1.1662ドルまで下落。ECB(欧州中央銀行)理事会の議事要旨で、過度なユーロ高に対する懸念が示されたことがユーロ売りの理由になりました。ただその後は、全体的なドル売りの流れで、1.17ドル台を回復。(チャート3)

 ドル/円が下落、ユーロ/ドルも勢いがないということで、ユーロ/円は1週間ぶりの128円台へ下落しています。(チャート4)

 
 

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