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『春節』は、中国の三大節句(『春節』・端午節・中秋節)の一つで、旧暦の元旦(旧正月)のことです。旧暦のため、『春節』の期日は年によって変わりますが、毎年概ね1月半ば~2月半ばの期間となります。2019年の『春節』は2月5日で、休暇期間は2月4日~10日の7日間です。中国では新暦の正月よりも『春節』を盛大に祝う習慣があり、多くの人が帰省や旅行をするなど、国内外の消費に与える影響も大きくなっています。
【ポイント1】『春節』の旅行者数は約4億人
質の高い旅行を求める傾向が強まる
オンライン旅行会社の大手である携程旅行網(シートリップ)によると、2019年の『春節』休暇期間中の旅行者数は約4億人に達すると予想されています。高速鉄道など国内の交通網が発達したことなどが背景です。
国内の旅行需要は着実に増加しています。国務院新聞弁公室によれば、今年の春運(『春節』期間の帰省等に伴う特別輸送体制)は1月21日から3月1日までの40日間で、その間の鉄道や飛行機等各種輸送手段による旅客輸送量は延べ29億9,000万人(前年同期比+0.6%)になる見通しです。質の高い旅行を求める傾向が強まる中、旅行関連機関は、輸送力とマナーの向上を進め、信用レベルの高い運行に努める、と報道されています。
【ポイント2】海外旅行者数は700万人
日本は引き続き人気旅行先の第2位
一方、 『春節』休暇期間中の海外旅行者数は前年比50万人増の700万人が見込まれています。予約ベースのツアー代金は1人当たり1万元(約16万円)と前年比で5%増となっています。
人気の旅行先上位10カ国中、日本は前年に続き2位となっています。最近の観光は買い物を中心とした「モノ消費」から、旅先での経験や文化をじっくり味わう「コト消費」重視の傾向が強まっています。こうした中、中国でも日本の人気が高まっている模様です。
【今後の展開】中華圏や東南アジアからの訪日によるインバウンド消費に期待
『春節』休暇は、中国のほか台湾や香港など、中華圏の大型連休です。他に東南アジアでも『春節』連休があります。今年の『春節』も、中華圏や東南アジアから多くの外国人が訪日することが見込まれ、日本のインバウンド消費を支えると期待されます。