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 日銀は23日に、市場の予想通り、金融政策の現状維持を決定しました。長短金利、資産買入れ方針ともに据え置きを維持、フォワードガイダンス等も変更はありませんでした。3カ月に1度の「経済・物価情勢の展望(『展望レポート』)」では2018~20年度物価見通しを下方修正、一方景気見通しは「拡大基調が続くとみられる」とし、景気回復が続くとの判断を維持しました。

 

【ポイント1】金融政策は現状維持

市場の予想通り

 日銀は23日に、市場の予想通り、金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度とする金融調節を維持します。また、長期国債を買い増すペースも年間で約80兆円を目途とすることやフォワードガイダンス(先行きの指針)等も据え置きました。

 

【ポイント2】物価見通しを引き下げ

リスク要因は、海外経済の動向など

 日銀は『展望レポート』の大勢見通しで、18年度のGDP成長率を0.9%(従来は1.4%)へ下方修正、19年度については0.9%(同0.8%)、20年度については1.0%(同0.8%)へと小幅に上方修正しました。18年度については自然災害の影響で第3四半期が大幅マイナス成長となったため、19年度、20年度の上方修正については政府の経済対策の影響を織り込んだためとみられます。

 物価については、消費者物価の見通し(除く生鮮食品)は18年度を0.8%、19年度を0.9%(消費税率引き上げ・教育無償化政策の影響を除くケース)、20年度を1.4%(同)とし、各年度ともに前回10月から引き下げました。

 日銀はリスク要因として、海外経済の動向や予定される消費税引き上げの影響等をあげています。

 

【今後の展開】市場への影響は限定的

 決定内容は想定内との見方が多く、為替や株式市場の反応は限定的となりました。ただし決定会合後、日経平均株価の構成比率上位銘柄に一時買いが入る場面がありました。日経平均株価の構成比率は、上位25銘柄で50%以上を占めるなど、日銀のETFの買入れによる影響が指摘され、一部で再度日経平均株価連動型のETFの購入比率を下げるのではないかとの思惑から売られていたため、買い戻しが入ったとみられます。