宅配

 宅配も恩恵を受けるでしょう。近年、節約志向が高まるなかでも、外食および調理食品へのニーズが強く、日本の消費者は手軽さや時間の効率化に価値を見出していると考えられます。この時短ニーズを、外食から奪うチャンスです。宅配サービスでは、オイシックス・ラ・大地(3182)に注目しています。食材にこだわりのある消費者のニーズをつかんでいるほか、共働き世帯を中心にミールキットが支持されています。

 

食品製造

節約志向が高まれば、調味料や加工食品が買われそうです。代表的な銘柄として、日清食品HD(2897)キッコーマン(2801)が挙げられます。

 

コンビニエンスストア

 お弁当や惣菜を扱うコンビニエンスストアにも注目しています。各社キャッシュレス対応が充実していることから、日用品などについてもポイント還元の恩恵も受けられそうです。しかし、直営店についてはポイント還元分を自社で負担するリスクがあります。

 

ネガティブな影響が懸念される外食

 政府のキャッシュレス決済を通じたポイント還元案は、中小の店舗が5%、大手チェーンが2%になる見通しと報道されています。これに危機感を感じた大手企業が、中小の小売に対抗するために、自己負担で追加のポイントを還元する動きが広がれば、上場企業の利益は圧迫されるでしょう。

 特に、外食業界は厳しい展開が予想されます。全く同じ商品を販売する場合、大規模に店舗を展開している大手企業に価格競争力があると言えます。しかし、外食の場合、価格だけではなく食材や雰囲気なども含めて総合的に店舗が評価されると考えられるため、必ずしも大手に値ごろ感があるとは言えないからです。個人経営の外食であれば、5%ポイント還元であるのに、大手外食チェーンであれば還元率が2%との報道を受けて、消費者が近所の中小店舗に好んで足を向ける可能性があります。

 利益率の低い外食業界は、大企業であっても、キャッシュレス決済が進んでおらず、その対応に追われるリスクも考える必要があります。しかし、日本マクドナルドHD(2702)ロイヤルHD(8179)については、既にさまざまなキャッシュレス決済に対応できています。その利便性が消費者から評価されれば、他の外食の需要を奪うチャンスとなるでしょう。

 

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