FOMC公表の経済見通し、特にGDP見通しも重要な予測であるため注目しておく必要あり

 FOMCで公表されるのは金利見通しと経済見通しがあります。来年、再来年の金利見通しによって、利上げ回数が何回かを予想しているのですが、経済見通し、特にGDP(成長率)見通しも重要な予測であるため注目しておく必要があります。と言いますのは、来年に入っても引き続き利上げ回数が焦点になってきますが、その利上げ回数は物価や経済成長のスピード(成長率)によって回数が変わってくるからです。特に、近年のように物価の伸びが鈍い経済環境では成長率に注目する必要があります。景気が鈍化すれば、物価に影響を与える賃金の伸びも鈍化してくる可能性があるからです。従って来年の経済がどのようなスピードで成長していくかが重要ポイントなります。つまり、今年よりも経済成長が拡大するのかどうか、今年と同じような成長にとどまるのか、あるいは年末に向けて成長が減速していくのかどうかを見ていく必要があります。来年に入って経済成長が減速していくのであれば、減速のスピードによって利上げペースが変わってくる可能性があります。

 例えば、下表のように9月時点のFRBの経済成長率の見通しは2018年が3.1%に対し、2019年は2.5%との見通しとなっています。この減速見通しが、利上げ回数を2018年の4回に対して、2019年は3回の見通しにさせていると思われます。足元の米国GDPは2018年7-9月期で年率3.5%と好調ですが、2019年に入って実際の成長率が2.5%よりも減速していくのであれば、当然、利上げ回数も減ってくるのではないかと市場の期待が高まってきます。パウエル議長が講演や記者会見で景気後退を示唆すれば、利上げペースが鈍化するとの期待は更に高まります。

 このように今週のFOMCで公表される金利見通しと同時に経済見通しにも注目しておく必要があります。下表に前回9月時点のFRBのGDP見通しと直近四半期の米国GDPの実績、合わせて直近のIMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)などの国際機関の見通しも掲載しました。FRBの見通しは貿易戦争の影響を加味していませんが、IMFやOECDはリスクシナリオとしての影響をGDPへの押し下げ幅(%)として示しています。今回、FRBが経済見通しの中で米中貿易戦争の影響を加味するのかどうかも注目点です。

米国GDP見通し(%)
  予測時点 2018 2019 2020 米中
貿易戦争の
影響
GDP IMF 2018/10 2.9 2.5 1.8 最大▲1.0%
OECD 2018/11 2.9 2.7 2.1 21年までに
最大▲1.1%
FRB 2018/9 3.1 2.5 2.0
実績 2018/7~9 3.5