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 公益財団法人日本漢字能力検定協会(以下、漢検)は、その年の世相を表す漢字一字を一般から募集し、応募数1位を『今年の漢字』として、毎年漢字の日(12月12日)に京都の清水寺で発表しています。2018年は自然災害や人災が注目され、“災”の文字が選ばれました。直近をみると、2015年は“安”、2016年は“金”、2017年は“北” でした。年末の風物詩となっている『今年の漢字』は、漢検の登録商標です。

 

【ポイント1】『今年の漢字』は“災”に決定

自然災害や人災が注目された

 今年は193,214票の応募があり、20,858票を集めた“災”が1位となり、『今年の漢字』に選ばれました。 “災”が選ばれたのは、2004年に続いて2度目で、応募数全体の10%強を占めました。

 その理由として、北海道や大阪の地震、西日本豪雨、相次いだ台風や記録的な猛暑などの自然災害によって多くの人が被災したことや、災害復興を支えるボランティアに注目が集まったことが挙げられました。

 また、スポーツ界でのパワハラ問題、財務省の決裁文書改ざん、大学の不正入試問題などの事件が発覚し、多くの人がこれらの出来事を人災や災いと捉えたことが挙げられています。

 

【ポイント2】2位は“平”、3位は“終”

平成の終わりを告げる年

 2位は16,117票を集めた“平”でした。平成最後の年であり、平昌五輪での小平選手・平野選手をはじめとする日本勢の活躍が挙げられました。大リーグでは、大谷翔平選手が新人王を獲得しました。また、南北首脳会談、米朝首脳会談などにより平和への期待の高まりも注目されました。

 3位は11,013票を集めた“終”でした。平成が終わりを迎え、平成に活躍した歌手の安室奈美恵さんの引退など、「平成最後」のワードが使われたことから、1つの時代の終わりや、引き際について考える年となりました。

 

【今後の展開】来年は明るい漢字を期待

 このほか4位には“風”が選ばれ、大型台風や夏の甲子園を盛り上げた金足農業旋風が注目されました。5位には“変”が入り、天変地異の災害や米朝首脳会談など歴史の変化も感じられました。

 さて、来年の干支は亥年。株式相場の格言は「亥固まる」で「前年の流れを固める」という意味があるようです。平成が終わり、新しい元号が始まる来年は明るい漢字が選ばれ、好調な相場となることが期待されます。

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