少し落ち着いた感もある日本株。しかし上昇が長続きしない状況が続いています。こうした中で筆者がどのような点に気を付けて株を売買しているかをお伝えします。

 

どうなったら株を買うのか?

 11月の終盤になり、ようやく日本株も落ち着きを見せてきました。一時は大部分の銘柄が25日移動平均線を割り込む下降トレンドでしたが、今は25日移動平均線を超え、かつ値上がりを続けているような強い銘柄も目立つようになっています。

 筆者の投資手法は非常にシンプルで、あらかじめ投資候補として日々ウォッチしている銘柄が25日移動平均線を超えたら新規買いする、というものです。

 

株を買った後、値下がりすることを常に想定

 でも、単に25日移動平均線を超えたら何でも買いにいけばよいか、というとそうではないのが今の日本株の難しいところです。

 ここ最近は、せっかく上昇トレンドになったと思ってもすぐに株価が値下がりして下降トレンドに逆戻りしてしまうケースが非常に多いです。こうなると損切りして、損失拡大を回避せざるを得ません。

 しかし、1回の損切りでの損失は小さくとも、それが積み重なるとそれなりの金額になってしまいます。
 かといって、実際に株価が上昇を続けている強い銘柄も少なくないので、株価下落を恐れて「今は全く買わない」と決め打ちするのも勇気がいります。

 そこで、株を買った後、すぐに値下がりすることを想定し、筆者は25日移動平均線からのプラスかい離率が小さい銘柄しか買わないようにし、損切りも25日移動平均線を少しでも割り込んだらすぐ実行してしまいます。

 具体的には、25日移動平均線からのプラスかい離率が2%程度、高くても4%程度の範囲にある銘柄しか原則として新規買いしないようにしています。そして、25日移動平均線からのマイナスかい離率が1%に達したら売却しています。

 25日移動平均線からのプラスかい離率が7%のところで買ったもののすぐに下落し、25日移動平均線からマイナス3%のところで損切りとなると、損失率が10%に達してしまいます。
 でも、プラスかい離率2%で買い、マイナスかい離率1%で損切りすれば、損失率は3%で済みます。

 株価が急に上昇して25日移動平均線からのプラスかい離率が5%を超えてしまった銘柄については、買うことを諦めています。利益を得ることより余計な損失を増やさない方が今は大事と考えているからです。

 

逆指値注文も有効に活用

 とはいえ、「この株は上昇トレンドになったらぜひ買いたい」と思っていた株が突然急上昇し、25日移動平均線からのプラスかい離率が5%、10%にも達してしまうこともあります。筆者としては買いたかった株が買えず、なんとも悔しい思いをしてしまいます。

 そこで筆者は、思い入れの強い銘柄については、25日移動平均線からプラス2~3%程度の水準に、逆指値の買い注文を入れておきます。こうすれば、仕事をしていて株価を見ることができない昼間に株価が急上昇したとしても、逆指値にヒットして買うことができます。

 もしくは、昼休みに株価をチェックすることができる方であれば、午前中の時点で移動平均線を明確に超えていたならば、翌日を待たずに後場の寄り付きなどで買ってしまう戦略もあります。後場に株価が崩れたら損切りしなければならないなどのリスクもありますが、そのまま後場や翌日以降も順調に株価が上昇するなど、良い結果につながることも多いです。