前日(8月11日)の市況
ドル/円:東京市場が休場の金曜日のマーケットで、ドル/円は大きく続落。
約2ヵ月ぶりに109円を割ると108.73円まで値を下げ、4月17日につけた年初来安値の108.13円も視野に入ってきました。
ドル/円下落の理由は大きく2つ。
ひとつは、米国と北朝鮮の軍事的緊張がこれまでにないレベルまで高まっていること。トランプ大統領の口撃はおさまることがなく、逆に地政学リスクをあおる有様で、株式投資家の不安心理の度合いを示す恐怖指数(VIX指数)は昨年の大統領選以来の高水準まで上昇しています。
もうひとつは、米国のインフレ率が伸び悩んでいること。週末に発表された米国の7月のCPI(消費者物価指数)は予想を下回りました。カプラン・ダラス連銀総裁は、「インフレが前進している確証がなければ、(米国は)利上げできない」と、利上げに後ろ向きの姿勢を強めています。金利市場が予想する年内利上げ確率は4割以下に低下しています。
安値をつけたあと、ドル/円は109.39円まで反発。その後は109円を挟んだ取引となり、終値は109.145円(前日比-0.065円)でした。
ユーロ/ドルは1.1846ドルまで反発。
地政学リスクに警戒感を強める投資家は、ドルを避け、他の通貨へ資金を移し始めています。またユーロ/円は、上値の重さが残るものの、128.046円を安値に129.15円まで上昇。
豪ドル:約1ヵ月ぶりの安値となる0.7838ドルまで売られる。
豪ドル/ドルは、RBA(豪準備銀行)のロウ総裁が、最近の豪ドル高を抑えるため豪ドルの売り介入をほのめかしたことから、約1ヵ月ぶりの安値となる0.7838ドルまで売られました。その後は地政学リスクを背景に0.79ドル台を回復しましたが、この水準には売りも多く並んでいるようです。また豪ドル/円は86円に戻しました。
サポートとレジスタンス
サポート、レジスタンスとは、テクニカル分析で用いられる用語です。サポートラインは、前回下げたときの安値で、そのレベルで反発したことから「下値支持線」、レジスタンスラインは、前回上昇したときの高値で、そのレベルで反転したので「上値抵抗線」とも呼ばれます。必ずしもこの水準で反発、反転するわけではありません。これらの水準でレートが押し戻されるのか、それとも超えていくのかを見極めることがポイントになります。