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米国では、11月下旬の感謝祭(第四木曜日)の翌日から12月24日のクリスマス・イブまでの期間を『年末商戦』と呼びます。 『年末商戦』のスタート日である感謝祭翌日の金曜日は、大規模なセール期間の初日となり、小売業者の売上高が増えて黒字となることから、「ブラック・フライデー」と呼ばれます。さらに、「ブラック・フライデー」の翌週月曜日は「サイバー・マンデー」と言われ、この日からオンライン商戦がスタートします。
【ポイント1】順調な滑り出しが見込まれる今年の『年末商戦』
「ブラック・フライデー」当日には1億1,600万人が買い物へ
全米小売業協会(NRF)の調査によれば、11月22日の感謝祭から26日の「サイバー・マンデー」までの5日間に全米人口の約半分に相当する1億6,400万人の消費者が買い物をする見通しです。
曜日別では、感謝祭翌日の「ブラック・フライデー」に買い物をする消費者が最も多く、1億1,600万人となる見込みです。続いて26日の「サイバー・マンデー」が7,500万人、23日の「スモール・ビジネス・サタデー(※)」が6,700万人、感謝祭当日が3,400万人等となっています。
(※)「スモール・ビジネス・サタデー」は、地元の小さな商店で買い物をしましょうという日で、2010年から始まりました。
【ポイント2】商戦期間中の売上高伸び率は過去5年平均を上回る見通し
1人当たり支出額は初の1,000ドル大台乗せへ
NRFは、今年の『年末商戦』の売上高を7,175億ドル~7,209億ドル、前年同期比4.3%~4.8%の増加と予想しています。昨年の同5.3%増には及ばないものの、過去5年間(2013~17年)の平均増加率である3.9%は上回りそうです。
雇用の順調な拡大、賃金の堅調な増加、物価の落ち着き、住宅等の資産価格の上昇が、『年末商戦』を後押しすると見込まれています。
商戦期間中の1人当たり支出予定額は1,007ドルと、昨年の967ドルを4%強上回る額になりそうです。このうち638ドルほどが他人への贈り物に充てられる見通しです。
【今後の展開】個人消費をけん引役に米国経済は拡大基調を維持しよう
NRFは、18年の小売売上高を前年に比べ4.5%程度増加すると予想しています。今年の『年末商戦』の売上高は、年間の小売売上高とほぼ同じ伸びとなる見通しです。
『年末商戦』の見通し等から判断すると、米国の個人消費の拡大基調に変化はなさそうです。トランプ大統領による拡張的な財政政策とともに、米国経済の持続的な成長を支える要素になると考えられます。