10月下旬までの下げが嘘だったかのように急速に反発する日本株。リバウンド狙いで短期間に大きな利益を得ようとする個人投資家の方も少なくないようですが、リスクはないのでしょうか?

 

高いところから落としたボールは跳ね返る

 激動の10月相場が終わりました。個人的には信用取引をしている個人投資家の投げ売りをあまり実感できなかったため、「もう少し下がるかな」と思っていましたが、結果的には10月30日の寄り付きで底打ちしました。その後は今までの下げは何だったのか、というほどの急反発です。

 この急反発を狙った「リバウンド狙い」という戦略があります。アグレッシブな個人投資家の方は、今回もリバウンド狙いにより短期間で利益を得たようです。

 リバウンド狙いが有効なのは、「高いところから落としたボールは跳ね返る」、つまり大きく下落した株価は底打ちすると反発する、という経験則があるからです。

 今回も、日経平均株価の場合は1カ月足らずで株価がおよそ3,500円値下がりでしたので、その反動が10月30日以降に起きたとみるのが自然です。

 

どこで底打ちするか分からないのが最大のリスク

 リバウンド狙いは、成功すれば確かに短期間に大きな利益を狙えますが、当然失敗することもあります。
 リバウンド狙いの最大のリスクは、どこで底打ちするか分からないということです。

 今回は、10月30日の寄り付き近辺が底になりましたが、それより前の25日、26日、29日当たりに買った人も多かったと思います。今回はリバウンドの幅もスピードも大きかったため、1~2日底打ちからずれても事なきを得ましたが、大してリバウンドせずに再び底割れすることも珍しくありません。

 リバウンド狙いは、「そろそろ下げ止まるはず!」と下降トレンドの最中に買い向かう逆張りです。したがって、意に反して買った後も下落が続いた場合、しっかりと損切りを実行しなければ、リバウンドを狙ったはずが多額の含み損を抱える結果となりかねません。