10月上旬の日本株は株価急騰後の調整局面となっています。買いそびれていた方にとっては、押し目買いの機会と考えそうなタイミングですが、手放しに喜んで買っても本当によいのでしょうか?
「押し目」とはいったい何か?
上昇を続けていた株価が値下がりしてくると、「押し目買いの好機」という声が聞こえてきます。ではいったい、「押し目」とはなんのことでしょうか?
いくつか考え方がありますが、筆者自身は「上昇トレンドにある株価の一時的な下落局面」が押し目であると定義づけています。
ですから、株価が上昇トレンドにあることが大前提です。値下がりを続けていたり、安値を更新しているような銘柄を買うことは、押し目買いではなく株価下落途中の逆張り買いですので注意してください。
上昇トレンドの定義づけもさまざまですが、筆者は一貫して、25日移動平均線を株価が超えている状態を上昇トレンドとしています。
そして、上昇トレンドを維持する状態で株価が下落し、25日移動平均線に株価が近づいてきた状態を押し目としています。
なぜ上昇トレンドの銘柄のみを狙うのか?
なぜ筆者は上昇トレンドにある銘柄のみの押し目買いを狙っているのでしょうか?
9月中旬以降の日本株大幅高の際、日経平均株価こそ27年ぶりの高値まで到達しましたが、個別銘柄をみると動きはまちまちでした。高値更新となる銘柄がある一方、ほとんど上昇しないものもありました。
株価上昇局面でも全ての銘柄が同じように上昇するわけではありません。強い銘柄と弱い銘柄があり、強い銘柄の方が株価は上昇しやすく、かつ押し目も浅い傾向があります。
強い銘柄であれば、日本株全体が一時的に調整する局面においても、25日移動平均線を割り込まずに上昇トレンドを維持することが多いです。
ですから筆者は、株価が大きく上昇して25日移動平均線から大きくかい離していた強い銘柄が、押し目を形成して25日移動平均線からのかい離を縮小したところを狙っているのです。
筆者も資金量の関係上、ウォッチしている銘柄を全て買うことはできません。株価が順調に上値追いを続ける強い銘柄を買いそびれるケースも多々あります。
そうした銘柄を買うことができるのが、強い銘柄が押し目を形成する局面なのです。