リーマンショックの教訓

 リーマンショックの教訓で一番大事なことは、突然発生したことではなく、1年前からその予兆があったということです。

 政治事件のように突然勃発するのではないため、予兆の段階でいざというときのシナリオを何回も練り直して準備しておくことができるのです。

 現在起こっている新興国リスク、米国利上げの最終局面、貿易戦争の景気に与える影響などは経済の出来事であるため、最悪のシナリオを準備しておくことができます。そして、自分の資産やポジションをどのように処理するのがよいか、併せて考えておくとよいと思います。

 リーマンショックのような金融危機は、その後の規制や安全弁によって当時のようなことは起こらないとの見方もありますが、当時よりも世界全体の債務が増加しているのにもかかわらず、金融政策や財政政策の政策余地が限られており、国際協調の意識も薄れてきていることを考慮すると、あのような大事件は二度と起こらないと考えるよりも、再び起こるかもしれないと考えておいた方がよさそうです。