1998(平成10)年8月31日
北朝鮮がテポドン1号発射、軍事的緊張が高まる
1998(平成10)年8月31日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)が弾道ミサイル「テポドン1号」を発射しました。北朝鮮をめぐる軍事的な緊張が高まりました。
ミサイルは日本海を東に進み、津軽海峡を越えて太平洋に落下しました。北朝鮮はミサイルではなく人工衛星の打ち上げだったと主張しましたが、地球を回る軌道上に該当する人工衛星は発見されていません。
テポドンは全長27メートル、重量22トン弱とされる大型のもので、航続距離は約2,000キロと推定されました。いったん大気圏外に出て飛行する中距離弾道ミサイルです。
日本上空を北朝鮮のミサイルが飛んだことに政府は衝撃を受けるとともに、株式や為替市場では軍事的緊張や地理的条件、政治情勢が絡み合った「地政学リスク」が意識されました。その後、北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、国際社会の強い反発を招きました。