今年の10月から、全国の上場企業の株式売買単位が100株単位に統一されます。これにより株価にはどのような影響があるのでしょうか?

 

10月から売買単位が100株に統一

 日本取引所グループ(JPX)のホームページを見ると、「全国の証券取引所では、2018年10月までに売買単位を100株に統一することとしています」と書かれています。

 そして、8月1日時点で、すでに100株単位の企業と、10月1日までに100株単位に変更することを開示した企業を含めると、全3,601社中、ほぼ全ての3,592社が該当します。残り9社についても、証券取引所の働きかけにより、売買単位が100株に統一される見通しです。

 以前は、売買単位が100株だったり1,000株だったり、はたまた500株、50株、1株単位と、銘柄によってバラバラでした。

 そのため、例えば1株単位の銘柄に対し間違って100株の買い注文を出してしまい、想定していたものよりはるかに多額の株を買ってしまうなどといった、誤発注のリスクも問題視されていました。

 売買単位の取り組みは10年以上にわたって行われていて、まずは100株もしくは1,000株単位への統一、そしてついに今年10月をもって、全ての銘柄が100株単位に統一されることになります。

 

売買単位の変更のみのケースと株式併合を同時実施するケース

 ところで、現時点で1,000株単位の銘柄が100株単位となる場合、まずは大和証券グループ本社(8601)などのように単純に売買単位のみを変更するケースがあります。

 大和証券グループ本社の場合は、株価600円であれば従来は1単位の購入に600×1,000=60万円必要だったのが、現在は600×100=6万円で足りるようになりました。

 住友不動産(8830)は、現状では300万円以上が必要ですが、これが10分の1の30万円台での投資が可能になります。

 一方、売買単位の変更と同時に、株式併合を行うケースも少なくありません。例えば10月1日より1,000株単位から100株単位に変更するプリマハム(2281)の場合、同時に5株を1株にする株式併合が実施されます。

 現状の株価が600円だとすると、売買単位変更および株式併合の実施前と実施後で、次のように変わります。

<現状>

株価:600円

売買単位:1,000株

最低必要投資額:600円×1,000株=60万円

<変更後>

株価:600円×5=3,000円

最低必要投資額:3,000円×100株=30万円

 このように、現状は60万円が必要だったのが、半分の30万円で投資できるようになります。森永乳業(2264)などでも5株を1株にする株式併合の同時実施が行われました。

 ただ、売買単位の変更のみで株式併合を行わなかった大和証券グループ本社のケースに比べると、投資額の低減効果は小さくなっています。