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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。7月の『街角景気』では、平成30年7月豪雨や今夏の異例の暑さによる景気への影響が見られました。内閣府の基調判断からは、こうした一時的な下押し要因はありながらも、景気は底堅いと見ることができそうです。

 

【ポイント1】現状判断DIは前月比▲1.5ポイントの46.6

平成30年7月豪雨等の影響で複数地域で大幅な低下

 7月の『街角景気』によると、現状判断DIは前月比▲1.5ポイントの46.6(季節調整値)となりました。項目別では、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の3項目全てが前月から低下しました。また、家計動向関連のうち、サービス関連は同▲6.9ポイントと大きく落ち込みました。

 今月の現状判断DIの低下には、西日本を中心に大きな被害が出た平成30年7月豪雨が影響しました。地域別では、中国で同▲6.5ポイント、四国で同▲5.6ポイントとなったほか、北関東では同▲6.0ポイント、沖縄で同▲5.0ポイントと低下幅が大きくなりました。

 

【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析

今夏の暑さは全体としては景気にマイナスか

 街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、現状については、ポジティブな単語の使用比率は横ばいでしたが、ネガティブな単語が増加しました。

「豪雨」に関する単語が大きく増加したほか、「猛暑」や「酷暑」といった異例の暑さに関する単語の使用頻度も大きく増加し、今夏の暑さが景気に与える影響をうかがわせる結果となりました。一部商品の販売や売上の好調さへの言及が見られた一方、消費マインドの減退や客足の鈍さを指摘するコメントも多く、全体としては、今夏の暑さは景気にはマイナスの影響がやや大きそうです。

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後に ある有益な情報を探ることができます。

 

【今後の展開】景気は一時的な下押し要因がありながらも底堅いと見られる

 先行き判断DIは前月比▲1.0ポイントの49.0となりました。テキストマイニングでは「豪雨」や「猛暑」に加え、「高騰」の使用頻度が増え、農作物等の価格高騰への懸念がうかがえます。内閣府は、先行きの基調判断を「人手不足、コストの上昇、平成30年7月豪雨の影響等に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待がみられる」とまとめました。一時的な下押し要因はあるものの、景気は底堅いと言えそうです。