お金の使い方には「消費」と「投資」がある
お金を貯めるには、やはり無駄遣いを極力減らすことも大事です。僕自身、いっさい無駄な使い方をしてないなどと言うつもりはありませんが、周りの人たちを見ているともったいないと思うことがよくあります。
例えば、旅行に行った途端に財布の紐を緩める人、いますよね。やたら高価なレストランで食事をしたり、どうでもいいお土産を買ったり。
これは「心理会計」と言って、まったく同じ内容なのに、目的、場所によって高額でも気にしないで使ってしまったり、逆に安いのにケチケチしたりする心理です。
普段は1円でも安く買おうとスーパーのチラシを入念にチェックしているような人が、自動車など高価なものを買うときにはどんぶり勘定になることがよくあります。勧められるままオプションに10万円、20万円払ったり。何百万、何千万円の買い物をすると10万円、20万円は大した金額でないように思えるのです。
また、自動車と同じように、家を買うなど大きなお金を動かすときも、人はその金額に無頓着になる、思考力を失う傾向があります。
お金の使い方には、一時的な喜びや満足感を得られるだけの「消費」と、将来収入として戻ってくる可能性がある「投資」の2パターンあります。
何かを買ったりしてお金を払うときには、そのどちらなのかをよく検討してみることです。そして、明らかに「消費」だと思ったら、いったん財布をポケットに戻し、本当に買うべきかどうか冷静に考えてみることです。
いちばん効率のいい「投資」は何かと言えば「自己投資」です。ただし、他者への提供を前提としていない自己投資は自己満足、「ただの趣味」です。自己投資したものを将来、他者へ提供して、それが報酬などの形で戻ってくることが正しい自己投資です。
投資は日本人にとって身近だった
「投資は危ないもの」と考えている日本人は多いですが、昔はそうではありませんでした。日本人は「3分法」と言って、資産は「現金」「不動産」「株式」に3分割して持つことが基本だったのです。ただ、日本人は戦後、高度経済成長期を経て、銀行に預けておけばお金が増えることを経験してしまったために、投資に関心がなくなってしまった。わざわざ投資をしなくても貯金で資産の保全ができたからです。今は真逆ですよね。環境が全く変わったのに、前の時代のまま資産を貯金に放置している人は、自分の頭で考えることをやめた人です。
前編でバフェットの名言を紹介しましたが、「自分の力で考えなかったら投資は成功しない」、まさにこれに尽きるのです。
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DaiGoさん(メンタリスト・作家)
1986年11月静岡県生まれ。慶應義塾大学在学中、英国の世界的メンタリスト、ダレン・ブラウンに感銘を受け、メンタリズムの技術を習得。その後、国内唯一のメンタリストとしてテレビ番組に出演し、人気を博す。現在は企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授としても活躍中。『「好き」を「お金」に変える心理学』『ストレスを操るメンタル強化術』など著書多数。
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