そもそもなぜ大きく負けてしまうのか?
ところで、今回のような波乱相場となると、個人投資家の多くは大きく負けてしまいます。それはなぜなのでしょうか?
ここを良く理解しておかなければ、今後も同じ過ちを犯してしまいます。逆に、なぜ個人投資家が大きく負けてしまうのかを知ることで、今後過ちを繰り返さないようにするにはどうすればよいかを考えることができます。
個人投資家が波乱相場で大きな損失を被ってしまう理由は、以下の2つです。
(1)株価が値下がりしてもいつまでも保有株を売却することをせず、持ち続けてしまう
(2)株価が値下がりしている途中に株を買ってしまう
ですから、この2つの行動をしないようにするだけで、大きな損失を回避することが可能です。
そのための対処法の1つが、筆者が日々実践している「25日移動平均線を割り込んだ銘柄は売却する」「25日移動平均線を割り込んでいる限りは新規買いをしない」というものです。
波乱相場は絶好の買い時といえるか?
筆者は、株価が値下がりを続けている間の新規買いはするべきではないと考えていますが、一方でここまで株価が下がったのだから絶好の買い時だ、とする考え方もあります。
一体、どちらの考え方が正しいのでしょうか?
これは永遠のテーマともいえますが、筆者は波乱相場で大きく値下がりした株を値下がりの途中で買う場合のメリットとリスクを考えたうえで投資行動を決めるべきと思っています。
メリット:買った直後から反発した場合、安い株価で買い仕込むことができる
リスク:買った後も下落が止まらない場合、大きな損失につながる
要は、メリットとリスクのどちらをより重要視するかだと思います。
筆者は、株式投資で最も重視しているのが「大きな損失を避ける」ことです。値下がり途中で株を買う場合、その後のさらなる株価下落に巻き込まれる可能性があり、これが大きな損失につながってしまいます。
確かに成功すれば安値で買うことができますが、失敗すれば大きな損失につながりかねない……こう考えると、筆者の中には、株価が値下がりしている途中で買うという選択肢はありません。
もし「〇〇ショック」が到来したら…
ここで、前半で申し上げたことを思い出してください。今回の波乱相場は、規模でいえば日常茶飯事レベルであること、2008年のリーマンショックや2016年のチャイナショックとは比べ物にならないほど小規模の下落であること……。
つまり、今回の下落相場で、値下がりを続けている株を買うという選択をした場合、もしリーマンショックやチャイナショック級の下落に至るとしたなら、ここから株価がさらに大きく下落し、致命的なダメージを受けかねないのです。
株式投資は、たった1回でも大失敗をすると、再起不能なほどのダメージを受けます。それを避けるためには、株価が下落している途中での安易な買いは慎むこと、これに尽きると思います。
株式投資を長い間続けていれば、下落相場はどうしても避けられません。もし今回の下落相場をうまく乗り切ることができなかった方も、上記の注意点に気を付けて、次回以降は同じ轍を踏まないようにしてくださいね。