日本株の下落が続いています。こんなとき、小さな損失で抑えるようにできるかどうかで投資成績に大きな差がつきます。大きく負けないためのポイントをお伝えします。

 

日本株の現状はどうなっているか?

 日本の株式市場は、7月に入り、さらに厳しさを増しています。7月6日時点の日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)、マザーズ指数を、2017年末と比較すると次のとおりです。

(順に、2018年7月6日終値・2017年末終値)
・日経平均株価:2万1,788円14銭・2万2,764円94銭
・TOPIX:        1691.54・1817.56
・マザーズ指数:1025.24・1231.99

 このように、3指数とも、今年に入ってからはマイナス圏で推移しています。特にマザーズ指数は今年の下落率が16.7%に達しています。個人投資家の肌感覚に最も近いのはマザーズ指数と思われますが、これが2割近くも下落しているということは、個人投資家の投資成績にもかなりのダメージを与えているはずです。

 また、年初来安値更新銘柄数も7月5日には500銘柄を超え、まさに下落相場真っ只中という状況です。

 

この程度の下落は日常茶飯事

 このように、日本株はまさに「波乱相場」の様相を呈しています。本コラムをご覧の個人投資家の中にも、「最近は株式投資の損失が膨らんで頭が痛い」という方が多いのではないでしょうか。

 しかし、あえて厳しい話をしますと、はっきり申し上げてこの程度の株価下落は全く珍しくありません。日常茶飯事レベルといっても過言ではありません。

 筆者自身、20年間株式投資を続ける中で、この程度の下落は何度経験したか覚えていないほどです。

 あくまでも筆者の主観ですが、今回の下落は、世界中を震撼させた2008年のリーマンショックの5分の1以下の規模、2年前の2016年初頭に発生して個人投資家の多くが大きな損失を被ったチャイナショックの半分以下の規模です。

 つまり、この程度の株価下落は乗り切って当たり前、損失が日々膨らむと頭を抱えていては、これからの日本株のマーケットで生き残ることはできません。

 

今年の運用成績はマイナスで全く問題ない

 とはいえ、株価下落を乗り切る=損失を出さずに乗り切る、という意味ではありません。今年の運用成績は、マイナスになるのが当たり前ですから、マイナスで全く問題ありません。重要なのは、どのくらいのマイナスで抑えるかということです。

 1つの目安としては、株価指数と同水準のマイナスであればひとまずは良し、とします。通常、個別銘柄の方が株価指数より値動きが大きいですから、株価指数程度の下落で収めることができれば及第点と考えられます。

 現時点でいえば、マザーズ指数がかなり大きく下落していること、個人投資家は新興市場銘柄を保有しているケースが多いことなどを加味して、年初からの損失が10%程度に収まっていれば十分だと思います。

 損失を取り戻そうと今のような相場環境で無理をすると、逆にさらに傷口を広げることになりかねません。ある程度の損失は許容し、次の機会でしっかりと成果を出せるように準備しておけば全く問題ありません。

 中長期投資を主体した株式投資の場合は、どうしてもマーケットの値動きの影響を受けます。株価指数がマイナスであれば、自分自身の運用成績がマイナスであっても問題ないのです。