株式投資をしている人であればおそらく聞いたことがあるであろう「IPO」。でも、IPOとは何かについてあまり知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、IPOの魅力と注意点についてお話ししていきます。

 

「IPO」とは?

 6月19日、話題の大型IPOであったメルカリ(4385)の株式が上場します。

 このIPO(アイピーオー)、最近はよく聞く言葉ですが、どんな意味か分かりますか?

 IPOは、「Initial Public Offering」の頭文字を取ったもので、日本語では「新規公開株式」といいます。

「新規公開株式」は、証券取引所に上場していない会社が新たに上場する際に、投資家に対して株式を発行し売り出しをする株式のことです。

 IPOは、後述のとおり利益を得られる可能性が高い一方、実際に投資家が入手できる株式数は限られているので、通常は抽選により配分されます。

 

IPO株の申し込み方法は?

 私たち個人投資家がIPO株を手に入れるには、IPOの抽選に当選しなければなりません。では、IPO株にはどのように申し込めばよいのでしょうか。

 まずは、ブックビルディングというものに参加をする必要があります。これにより、「私はこのIPO株が欲しいです」という意思表示をします。

 ブックビルディングの後、購入の申し込みをします。ブックビルディングに参加するだけではなく、購入申し込みを忘れないようにしてください。ブックビルディングだけでは購入の抽選を受けることはできませんので注意しましょう。

 そして、抽選に当選したら見事IPO株を取得することができます。

 

実際のIPOの結果を見てみよう

 2018年4月のIPOの結果は以下のとおりです。

銘柄・証券コード 公募価格 初値 上昇率
ブティックス(9272) 1,350 3,210 2.4倍
ビープラッツ(4381) 2,200 10,000 4.6倍
ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(6575) 1,170 3,600 3.1倍
コンヴァノ(6574) 930 2,189 2.4倍
HEROZ(4382) 4,500 49,000 10.9倍
アイペット損害保険(7323) 2,850 4,500 1.6倍
ベストワンドットコム(6577) 4,330 14,830 3.4倍
エヌリンクス(6578) 1,810 3,780 2.1倍

 

 これを見ると、軒並み公募価格に比べて初値が大きく上昇していることが分かります。4月はIPO銘柄の全ての初値が公募価格超えとなりました。

 2018年1月~5月のトータルでも、初値が公募価格を割り込んだのはわずか2銘柄のみ、それ以外は全て初値が公募価格を超えるという結果となっています。

 

IPOは初値で売れば勝率9割だが…

 このように、抽選に当選してIPO株を入手した場合、実に9割以上の確率で、初値が公募価格を上回ります。利益を得られる可能性が極めて高いといえます。IPO株を入手した人は、初値で売るというのがセオリーとなっています。

 では、IPO株を入手した後、初値で売らずに持ち続けるという選択肢はないのでしょうか?

 IPOにより新規上場した後の株価の動きは、銘柄により異なります。初値を付けた後も上昇を続ける銘柄もありますが、初値をつけてから株価が下落してしまう銘柄の方が多いです。

 例えば公募価格3,000円で100株当選、初値が5,000円、1カ月後の株価が4,000円とすると、初値で売却した方が、1カ月後に売却するより有利となります。

 こうした理由から、公募株に当選した人は、「初値を付けた後の値上がりの期待」よりも「初値を付けた後の値下がりのリスク」を回避して利益をしっかりと確保するため、初値で売却しているのです。

 

IPOの実際と注意点は

 このように、利益を得られる可能性が極めて高いIPO株ですが、注意しておくべき点もあります。

 まず、IPOは小さいリスクで大きなリターンが期待できることから、非常に人気が高いです。IPOの抽選に申し込んでも、ほとんどが外れます。ですから、あまりIPOに過大な期待を抱かないようにしましょう。

 こうした事情から、少しでも当選確率を高めるため、いくつもの証券会社にIPO抽選の申し込みをする方もいるようです。

 もちろん、これにより当選確率はアップしますが、このとき注意しなければならないのが、購入資金が拘束されるという点です。

 証券会社により、購入資金が拘束されるタイミングが異なりますが、例えばブックビルディング申込時や抽選時に資金拘束される証券会社3社に申し込みをすると、抽選に当選する・しないにかかわらず、購入価格の3倍の資金を準備しなければならなくなります。

 また、複数の証券会社に申し込むとなると、事前に口座を開設しておく必要や、ブックビルディング参加・購入申し込みをそれぞれにおいて行う必要があるなど、それなりに手間がかかります。当選確率を上げるためには、まめな努力が必要なのです。

 次回は、IPOに当選しなかった株を、上場後売買する際の注意点についてお話します。